マカオ、2020年通期のカジノ税収は73.6%減の約3954億円…新型コロナの影響甚大
- 2021/2/19 18:38
- カジノ・IR
マカオ政府財政局が2月18日付で公表した最新の財政収支データによれば、昨年通期(2020年1〜12月累計)の歳入は前年同時期から29.1%減の946億9959.4万マカオパタカ(日本円換算:約1兆2560億円)で、予算執行率は96.9%だった。
ただし、経常的収入に限ると64.9%減の459億8777.5万マカオパタカ(約6099億円)にとどまった。
このうち、ゲーミング(カジノ)税収は73.6%減の298億0816.0万マカオパタカ(約3954億円)。年度予算執行率は100.5%で、歳入に占めるゲーミング税の割合は31.5%に。通常は歳入の約8割を占めるが、ゲーミング税収の大幅減に加え、財政準備からの補填分が資本的収入に計上(後述)されたことによって割合が小さくなった。
歳出は11.2%増の912億9953.0万マカオパタカ(約1兆2109億円)で、年度予算執行率は93.4%。経常性費用が16.9%増、資本性費用が13.8%減だった。
財政収支は34億0006.4万マカオパタカ(約451億円)の黒字、前年同期比では93.4%の大幅なマイナスだった。財政準備からの補填分を除外すれば実質赤字。
ゲーミング税はカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)がベースとなる(*註)。昨年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫措置の強化等によってインバウンド旅客数が激減し、GGRを直撃した。昨年通期のGGRは79.3%の大幅減となる604.41億マカオパタカ(約8016億円)にとどまった。ただし、このところ中国本土との往来制限の緩和が進んでおり、対前年のマイナス幅は12月まで5ヶ月連続で縮小している。
なお、マカオ政府は新型コロナの影響を考慮し、カジノ税収の減による歳入減と防疫・経済支援策による歳出増を見込み、年度内に予算改正を三度、財政準備の超額分の一部を切り崩しての補填を二度にわたって実施している。これによって、資本収入が経常的収入を上回る487億1181.9万マカオパタカ(約6460億円)まで増加した。
(*註)マカオのカジノに対する実効税率は約38〜39%。GGRの35%に加え、マカオファウンデーションへの拠出分として1.6%、インフラ・観光・社会保障基金への拠出分が2.4%(SJM社のみ1.4%)。