マカオ、2021年1月のインバウンド旅客数は80.5%減の55.7万人…対前月9ヶ月ぶりマイナスに

 マカオ政府統計調査局は2月23日、今年(2021年)1月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 1月のインバウンド旅客数は前年同月から80.5%減、前月から15.6%減の55万6765人(延べ、以下同)だった。対前月では9ヶ月ぶりのマイナス。宿泊を伴う旅客が全体の48.3%を占めた。旅客の平均滞在時間は前年同月から0.4日延びて1.6日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.7日延びて3.0日、日帰り旅客は0.1日短い0.1日だった。

 1月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の89.1%を占める49万6157人、前年同月比では76.7%減。このうち個人旅行客は17万4554人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が61.4%、マカオに隣接する広東省珠海市が50.3%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ5万0379人、1万0212人。

 マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された上、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請受付がそれぞれ8月12日、26日から再開、9月23日から中国本土全域に拡大した。これに伴い、中国本土旅客がけん引するかたちで旅客が戻りつつある状況が続いた。1月に対前月で下落した要因については、中国本土の一部エリアで市中感染が出現したことで、移動を控えるよう呼びかけがなされたことなどが考えられる。この影響は2月中旬の春節ホリデーまで続いたが、2月下旬時点では再び状況は落ち着きを取り戻している。対前年の下落要因は、前年は多客期にあたる春節ホリデーが1月だったこと、新型コロナの影響が生じる前だったこと(1月下旬以降に影響)が挙げられる。

 香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14日間または21日間の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人(マカオ就労ビザ保有者を含む)については原則入境禁止が維持されているが、12月1日からマカオ入境前21日間以上中国本土に滞在していることや入境目的などの諸条件をクリアした上でマカオ当局へ事前入境申請ができるようになった。しかしながら、条件が厳しいことから恩恵を受ける数は限定的とみられる。

 マカオの昨年(2020年)通期のインバウンド旅客数は前年から85%の大幅減となる約590万人にとどまった。マカオ政府旅遊局(MGTO)は2月10日に開催したプレス向けの年次報告会の中で、中国本土における流行状況が徐々に安定し、ワクチン接種も進むことで、1日あたりのインバンド旅客数が3万人水準まで上昇すると期待されるとし、今年のインバウンド旅客数見通しを600万〜1000万人程度になるだろうとの見通しを示している。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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