マカオ、新型コロナワクチン続々到着…人口44%相当の2回接種分を手中に、国際組織からの分配は辞退

 このところ世界各地で新型コロナワクチンの接種が展開されている。マカオも例外ではなく、2月9日から高リスク群を対象とした新型コロナワクチンの接種がスタート。その後、22日から接種対象が全マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に拡大された。

 マカオ政府衛生局の発表によれば、2月28日に中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチン(中国製)の第二便として40万回分がマカオへ到着したとのこと。同ワクチンは2月6日に第一便としえ10万回分が到着済みで、オーダー分の全量が受領済みとなった。2月27日には中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン(欧州製)の第一便として10万回分がドイツから香港経由でマカオへ到着済み。すでに60万回分を手にしたことになる。いずれのワクチンも2回接種が必要なものだが、単純計算でマカオの総人口約68万人の44%に相当する。

 マカオ政府は、2回接種を前提に人口の2倍にあたる140万回分を確保済みとしている。今後、ビオンテック製のmRNAワクチンの残りと英国アストラゼネカ製のアデノウイルスベクターワクチン(米国製)が到着予定となっている。なお、後者については今年第3四半期になる見込み。

中国シノファーム製の不活化ワクチン第二便の40万回分を乗せて北京から陸路マカオへ到着したトラック=2021年2月28日(写真:GCS)

 マカオでは、ワクチン接種は希望者のみを対象とし、在庫がある状況下において接種希望者がワクチンの種類を選択することができる。ただし、レギュレーション上、60歳以上の高齢者については基本的にビオンテック製のmRNAワクチンあるいはアストラゼネカ製のアデノウイルスベクターワクチンのいずれかが推奨とされている。接種費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3300円)となる。政府はポルトガル系のフィデリダーデ・マカオ社と不良副反応・副作用に関する保険契約も締結済みで、保障期間は接種後90日間、補償額は1人あたり最大100万マカオパタカ(約1330万円)とのこと。

 医師でもあるマカオ政府衛生局の李展潤局長は2月28日のシノファーム製ワクチン受領式会場で囲み取材に応じた際、国際組織「Gaviワクチンアライアンス」から6万回分の供給が可能と打診があったが、すでに2種のワクチンが到着しているため、アライアンス側に辞退を申し出たことを明らかにした。

 ここまでのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計48人。内訳は域外からの輸入性が46人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は2月28日まで336日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。

中国シノファーム製の不活化ワクチン第二便の受領式典。中央がマカオ政府衛生局の李展潤局長=2021年2月28日(写真:GCS)

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