マカオ、358日連続で新型コロナ市中感染例なし…累計48人、死亡例ゼロ=2回目のワクチン接種スタート
- 2021/3/23 8:40
- 社会・政治
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月22日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。同日までマカオの市中における新型コロナの感染確認は輸入性または輸入関連性事案のみで、市中における感染伝播事案は出現していない。市中感染確認例は無症状感染者を含めて358日連続ゼロだった。輸入性事案に関しては44日連続ゼロ。
これまでの累計感染者数は48人で、46人が域外からの輸入性、2人が輸入関連性事案。院内感染、死亡例ともゼロを維持している。
目下、指定医療機関の隔離病室に入院中の患者は1人のみ。患者は1月19日にドバイを出発し、シンガポールと東京を経由して21日にマカオへ到着したマカオ居民の女性。
マカオでは、2月9日から高リスク群を対象とした新型コロナワクチンの接種がスタートした。その後、同月22日から接種対象が全マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)へ、さらに3月9日からはマカオで就労する海外労働者やマカオの学校に通う非居民の学生らへも拡大されている。現在、マカオで使われているワクチンは中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチン(中国製)と中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン(欧州製)の2種。
これまでの累計ワクチン接種予約者数は人口の約11%にあたる7万7587人、接種を済ませた人は3万7707人とのこと。予約者の約4%にあたる約1700人が事前リスク評価を経て接種不適合と判断されたという。ワクチン接種後の異常については、累計で110件報告されており、めまいや微熱など軽微な事案が109件、重大な事案が1件。重大事案は、接種後しばらくしえ左胸痛を訴えた後に急性冠症候群の疑いと診断されたものだが、その後の専門家らによる分析で接種との因果関係なしと判断されている。
マカオ政府はシノファーム製、ビオンテック製に加え、英国アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン(生産地:米国)の計150万本を確保済み。シノファーム製は全量到着済み、ビオンテック製の残りとアストラゼネカ製は順次到着予定となっている。なお、ワクチン接種はあくまで希望制であり、在庫がある状況下において複数のワクチンの中から自由に選択できるとされている。接種費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3300円)となる。
マカオ政府が確保したワクチンはいずれも2回接種が必要なものだが、マカオの総人口は約68万人のため、充足しているといえる。すでに60万本が到着しており、単純計算でそ人口の44%に相当する。3月22日から2回目の接種がスタートした。1回目の接種を終えた人に対して、接種後21日目にSMSでメッセージを送り、28日目に2回目の予約をできることを通達する方式となっており、28日目に接種しなかった場合、5日後に再度SMSでメッセージが送られるという。2回目の接種を終えた人には、繁体字中国語、ポルトガル語、英語の3言語で個人情報、接種日、接種ワクチン種別などが書かれたワクチン接種証明書と記録カードが交付されるとのこと。2つの書類の内容は同一で、記録カードは携行に便利なものとしている。
マカオでは、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び中国本土における状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月中旬から両地間の往来制限に関して緩和が進んでいる。外国人の入境禁止措置も継続中(3月16日からマカオで発給されたビザを利用して中国本土を訪れた場合の再入境は措置の対象外に)。中国本土との往来制限緩和後も市中感染は出現しておらず、各種防疫措置が機能しているといえる。
このほか、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう昨年1月下旬からスタートしたマスク有償配給制度について、3月28日から28回目のマスク販売期をスタートすることも発表された。第19回までが10日に一度だったが、第20回以降は30日間の実施となっており、30枚1組で24マカオパタカ(日本円換算:約320円)。1枚あたり単価は初回から変わっていない。初回から現在進行中の第27回までの累計販売枚数は約1億9200万枚に上るとのこと。