マカオ、3月カジノ売上は58.0%増の約1149億円…新型コロナ影響後最多

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は4月1日、今年(2021年)3月のマカオの月次カジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)について、前年同月から58.0%増、前月から13.6%増となる83.06億マカオパタカ(日本円換算:約1149億円)だったとする最新統計を公表。

 2ヶ月連続で前年同月比プラス、単月としては新型コロナ影響下で最多だった。

 マカオでは、昨年1月下旬から現在に至るまで入境制限を含む厳格な水際措置が講じられており、平年と比較してインバウンド旅客数が大幅に落ち込んでいる。ただし、昨年第3四半期以降は中国本土との往来制限の緩和が進んでおり(詳細後述)、対前年のマイナス幅は3月まで8ヶ月連続で縮小した。

 3月の1営業日あたりの平均売上は2.68億マカオパタカ(約37.1億円)となり、こちらもコロナの影響が生じて以降の最多に。ここまでの推移は、昨年2月(2月5〜19日の休業期間を除く14日間)2.22億マカオパタカ(約30.7億円)、3月1.70億マカオパタカ(約23.5億円)、4月0.25億マカオパタカ(約3.5億円)、5月0.56億マカオパタカ(約7.7億円)、6月0.23億マカオパタカ(約3.2億円)、7月0.43億マカオパタカ(約5.9億円)、8月0.43億マカオパタカ(約5.9億円)、9月0.74億マカオパタカ(約10.2億円)、10月2.35億マカオパタカ(約32.5億円)、11月2.25億マカオパタカ(約31.1億円)、12月2.52億マカオパタカ(約34.9億円)、今年1月2.59億マカオパタカ(約35.8億円)、2月2.61億マカオパタカ(約36.1億円)。回復傾向が見てとれる。

 今年1〜3月累計のカジノ売上は前年同時期から22.5%減の236.42億マカオパタカ(約3271億円)で、マイナス幅は前月終了時点から16.7ポイント縮小。

 DICJは新型コロナ防疫体制下におけるカジノ営業にあたって運営会社に対して従業員及びゲストの健康を最大限保護することなどを求めており、ゲーミング(カジノ)テーブル間の距離の確保、テーブルゲームでは隣席を空ける対応(例えばバカラテーブルでは1テーブルに同時に着席できるのは3〜4人)、スロットマシンについても1台または2台おきの稼動と定められ、交差感染リスク軽減が図られている。チップ等のゲーミング用品に対する消毒も強化実施されている。再開したといっても、あくまで限定的ものだ。

 また、ゲストは入場時にマスクの着用、検温、有効な健康コード(衛生当局の専用サイト上で直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるQRコード)の提示が義務付けられている。3月3日から新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書(マカオまたは広東省の認可施設が発出した有効期間内のものに限る)の提示を必須とする措置は撤廃された。

 なお、昨年通期のカジノ売上は前年から79.3%減の604.41億マカオパタカ(約8361億円)で、2年連続前年割れ。マカオ政府の2021年度財政予算におけるカジノ売上見込みは1300億マカオパタカ(約1兆7983億円)。

ゲスト及び従業員のマスク着用やカジノ用品の消毒強化といった防疫対策を講じた上で営業を続けているマカオのカジノ施設(資料)=2020年3月(写真:GCS)

【資料1】2021年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:80.24億マカオパタカ=約1110億円(63.7%減)
・2月:73.12億マカオパタカ=約1012億円(135.6%増)
・3月:83.06億マカオパタカ=約1149億円(58.0%増)
>1〜3月累計:236.42億パタカ=約3271億円(22.5%減)

【資料2】2013年〜2019年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆9899億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆8622億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆1930億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約3兆0874億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆6757億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約4兆1899億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億マカオパタカ=約4兆0452億円(3.4%減)
・2020年:604.41億マカオパタカ=約8361億円(79.3%減)

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