マカオ、374日連続で新型コロナ市中感染例なし…累計48人、死亡例ゼロ
- 2021/4/8 8:38
- 社会・政治
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは4月7日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。同日までマカオの市中における新型コロナの感染確認は輸入性または輸入関連性事案のみで、市中における感染伝播事案は出現していない。市中感染確認例は無症状感染者を含めて374日連続ゼロとなった。輸入性事案に関しては60日連続ゼロ。
これまでの累計感染者(患者)数は48人で、46人が域外からの輸入性、2人が輸入関連性事案。院内感染、死亡例ともゼロを維持。3月24日に48人目の患者が退院したことを受けて、四度目の入院患者ゼロ状態に入っている。
目下、新型コロナ指定医療機関の収容者数は3人。内訳は快復期隔離中が1人(上述の退院者)、再陽性者が2人(海外での感染歴を有するマカオ居民の帰国者)。いずれも発熱やその他の症状はないという。
マカオでは、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び中国本土における状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月中旬から両地間の往来制限に関して緩和が進んでいる。外国人の入境禁止措置も継続中(3月16日からマカオで発給されたビザを利用して中国本土を訪れた場合の再入境は措置の対象外に)。中国本土との往来制限緩和後も市中感染は出現しておらず、各種防疫措置が機能しているといえる。
マカオでは、2月9日から高リスク群を対象とした新型コロナワクチンの接種がスタートした。接種対象は全マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)、マカオで就労する海外労働者やマカオの学校に通う非居民の学生らへ拡大されている。この日の会見で、4月9日から海外労働やの家族、領事職員、就労ビザが切れたものの帰国できず滞在している人など上記以外の合法的常住者(過去6ヶ月内の過半をマカオに滞在した上で条件を満たした場合)に再拡大することも発表された。現在、マカオで使われているワクチンは中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチン(中国製)と中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン(ドイツ製)の2種。
7日午後4時までの累計ワクチン接種予約者数は10万8009人、接種を済ませた人は5万8676人とのこと。接種率は約6%と低いが、マカオ当局はマカオの流行状況は落ち着いており切迫性がない状況にあるため、想定の範囲内とした。ワクチン接種後の異常については、累計で232件報告されており、めまいや微熱など軽微な事案が231件、重大な事案が1件。重大事案は、接種後しばらくしえ左胸痛を訴えた後に急性冠症候群の疑いと診断されたものだが、その後の専門家らによる分析で接種との因果関係なしと判断されている。
マカオ政府はシノファーム製、ビオンテック製に加え、英国アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン(生産地:米国)の計150万本を確保済み。なお、ワクチン接種はあくまで希望制であり、在庫がある状況下において複数のワクチンの中から自由に選択できるとされている。接種費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3300円)となる。
マカオ政府が確保したワクチンはいずれも2回接種が必要なものだが、マカオの総人口は約69万人のため、充足しているといえる。