マカオの人口密度2.08万人に、香港や東京の約3倍の超過密状態も新型コロナ市中感染1年以上ゼロ維持…2020年
- 2021/4/21 8:44
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局は4月20日、2020年環境統計を公表。同年のマカオの陸地面積は前年から横ばいの32.9平方キロ(東京の山手線の内側のおよそ半分に相当)、1平方キロあたりの人口密度は400人(2.0%)増となる2万0800人だった。
マカオは中国大陸と陸続きのマカオ半島、離島のタイパ島とコロアン島、タイパ島とコロアン島の間を埋め立て造成したコタイ地区で構成されるが、居住エリアはマカオ半島とタイパ島の一部に集中している。
アジア有数の観光都市であり、新型コロナウイルス感染症の流行前にあたる2019年の訪マカオ(インバウンド)旅客数は過去最多となる3940万人超に達し、体感的な人口密度はより高く感じられたが、昨年は厳格な水際措置が講じられたことを受けて旅客数が激減し、以前のような観光名所周辺の大混雑は出現しなかった。
同局が3月8日に公表した2020年第4四半期の人口統計によると、同年12月末時点におけるマカオの人口は前年の同じ時期から0.5%増の69万3100人。ポルトガルから中国へ返還された年にあたる1999年12月末の43万8000人から大幅増となっている。
マカオは極めて規模の小さい地域であるため、人口密度を他の国や地域と単純比較するのは難しいが、世界的に極めて人口密度が高い地域とされる香港や東京都のおよそ3倍となっている。
このほか、2020年のマカオの平均気温は23.3℃で、1952年の観測開始以来最も温暖だった前年から0.3℃下落。最高気温は7月に記録した35.5℃で、前年から0.2℃低かった。最低気温は12月に記録した6.7℃で、同1.7℃低かった。年間総雨量は534.8ミリ減の1713.2ミリ。
環境統計では、インバウンド旅客の減に伴い、水の使用量やゴミの排出量が減った状況も明らかとなった。
2020年の年間の水の総使用量は前年から7.9%減の8551万5000立方メートルで、内訳は家庭用が9.4%となった一方、事業用が22.3%減、公共機構用が5.7%減に。汚水処理施設の1日平均処理量は6.7%減の20万8508立方メートル。ゴミ処理場における年間の都市固形廃棄物処理量は19.8%減の43万7592トン、埋立地に搬入された建築廃棄物については66.0%増の397万4000立方メートルだった。
極めて過密状態にあるマカオでは、昨年1月下旬から徹底した防疫対策が講じられている。4月20日までのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計49人。内訳は域外からの輸入性が47人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は387日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。すでに中国本土との間では往来制限の緩和が進み、PCR検査陰性証明の提示などの条件をクリアすれば隔離検疫免除で往来可能な状況。中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でもゼロを維持できていることから、水際措置が機能しているといえる。