マカオ、2021年3月のインバウンド旅客数は75.4万人…顕著な回復、中国本土旅客が9割超
- 2021/4/23 9:31
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局は4月22日、今年(2021年)3月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。
3月のインバウンド旅客数は前年同月から2.6倍増、前月からも76.7%増となる75万4541人(延べ、以下同)だった。対前月では3ヶ月ぶりのプラスに。ただし、新型コロナの影響が生じる前にあたる2019年の同月との比較では77%減で、顕著な回復が見受けられたものの、依然として本格的な回復には至っていない状況だ。
3月の宿泊を伴う旅客は前年同月から2.2倍増の40万4936人、日帰り旅客についても3.0倍増の34万9605人。旅客の平均滞在時間は前年同月から1.4日短い1.6日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は1.8日短い2.9日、日帰り旅客は0.1日短い0.1日だった。
3月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の91.2%を占める68万8353人、前年同月比では6.7倍増。このうち個人旅行客は38.4倍増の26万8302人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が56.4%、マカオに隣接する広東省珠海市が48.5%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ5万8953人、7183人。
3月のインバウンド旅客の入境ルートは前年同月から陸路が2.4倍増の68万7127人で最多。このうち關閘イミグレーション経由が82.7%を占めた。空路は4万6985人、海路は2万0429人。
今年第1四半期累計のインバウンド旅客数は前年同時期から46.0%減の173万8428人。内訳は宿泊を伴う旅客が39.6%減の91万9192人、日帰り旅客が51.8%減の81万9236人。旅客の平均滞在時間は0.3日延びて1.7日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.3日延びて3.0日、日帰り旅客は0.1日短い0.1日。
マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、昨年7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された上、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請受付がそれぞれ8月12日、26日から再開、9月23日から中国本土全域に拡大した。これに伴い、中国本土旅客がけん引するかたちで旅客が戻りつつある状況が続いた。1月、2月にかけて、中国本土の一部エリアで市中感染が出現したことで、移動を控えるよう呼びかけがなされたことなどで一時落ち込んだが、2月下旬以降は再び落ち着きを取り戻し、3月から4月にかけてコロナ影響下の単日旅客数が最多更新を続けている。対前年の急上昇要因は、新型コロナ防疫対策による水際措置が昨年1月下旬から本格的に講じられ始め、2月以降に旅客数が大幅減となった反動。
目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14〜28日間(直前の滞在地域により異なる)の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルス拡散PCR陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人(マカオ就労ビザ保有者を含む)については原則入境禁止が維持されているが、昨年12月1日からマカオ入境前21日間以上中国本土に滞在していることや入境目的などの諸条件をクリアした上でマカオ当局へ事前入境申請ができるようになった。しかしながら、条件が厳しいことから恩恵を受ける数は限定的とみられる。
マカオの昨年(2020年)通期のインバウンド旅客数は前年から85%の大幅減となる約590万人にとどまった。マカオ政府旅遊局(MGTO)は今年のインバウンド旅客数見通しを600万〜1000万人程度としている。