人口68万人のマカオ、新型コロナワクチン2回目接種完了は4.38万人に
- 2021/5/13 9:27
- 社会・政治
マカオでは、2月9日から高リスク群を対象とした新型コロナワクチンの接種がスタートした。
その後、同月22日から接種対象が全マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)へ、3月9日からマカオで就労する海外労働者やマカオの学校に通う非居民の学生らへ、4月9日からは海外労働やの家族、領事職員、就労ビザが切れたものの帰国できず滞在している人など上記以外の合法的常住者(過去6ヶ月内の過半をマカオに滞在した上で条件を満たした場合)へも拡大されている。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターの発表によれば、5月12日午後4時までの累計接種本数は12万4193本、接種を受けた人は8万0557人とのこと。内訳は1回目の接種完了が3万6748人、2回目の接種完了が4万3809人。参考までに、マカオの人口は約68.25万人。ここまでの接種率は低水準にとどまっているが、マカオでは新型コロナ流行の封じ込めに成功している状況で、切迫性がないためとみられる。なお、約7000人いる医療従事者の接種率は7割近くにいるという。政府は大規模接種ステーションの開設計画を明らかにしたほか、ワクチン2回接種を条件に防疫措置上の優遇策を用意することも検討しているとしており、接種率向上につながる可能性がある。
同センターでは、自分自身に対する保障、家族の保護、さらには免疫の壁を形成することでマカオを護ることができると早めの接種を呼びかけを続けている。
現在、マカオで使われているワクチンは中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチン(中国製)と中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」(ドイツ製)の2種。
このほか、英国アストラゼネカ製のアデノウイルスベクターワクチン(米国製)も到着予定となっているが、当初今年第3四半期をめどとしていたものの、近日マカオ政府は現状の接種の進行状況と2種のワクチンの在庫及び供給予定を鑑み、アストラゼネカ製の年内の供給を見合わせる方針を明らかにしている。マカオ政府が確保した3種のワクチンの合計は150万本。いずれも2回の接種(約1ヶ月間隔)が必要なものだが、人口の倍に相当するため、充足しているといえる。
気になるワクチン接種後の異常だが、12日午後4時までの累計で566件報告されており、めまいや微熱など軽微なものが564件、重大事案が2件とのこと。
なお、ワクチン接種は希望者のみを対象としている。費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3400円)となる。政府はポルトガル系のフィデリダーデ・マカオ社と不良副反応・副作用に関する保険契約も締結済みで、保障期間は接種後90日間、補償額は1人あたり最大100万マカオパタカ(約1360万円)とのこと。
5月12日までのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計49人。内訳は域外からの輸入性が47人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は409日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。