マカオ、電子消費給付実施後10日間で約65億円が市場に流入…新型コロナ経済支援対策の一環

 マカオでは、厳格な新型コロナウイルス感染症防疫措置が講じられており、430日以上にわたって市中感染確認ゼロを維持している。

 コロナの封じ込めに成功している一方、インバウンド依存度が高い観光都市であるマカオの経済は大きな打撃を受けている。

 マカオ政府は新型コロナ経済支援対策の一環として、電子消費給付を実施した。8000マカオパタカ(日本円換算:約11万円)分の電子マネーをQRコード決済プラットフォームにチャージするかたちで支給するもの。6月1日から使用がスタートした。

 電子消費給付の支給対象は、すべてのマカオ居民IDカード(日本のマイナンバーカードに近い身分証)保有者で、年齢や所得といった制限は一切ない。

 マカオ政府経済・科技発展局と金融管理局が6月11日に発出した合同プレスリリースによれば、同日正午までに約61.5万人が登録を済ませたとのこと。また、実施10日目まで(6月1〜10日)の使用状況については、決済回数が約425万回、決済総額は約4.73億マカオパタカ(約65億円)だったという。決済金額ベースの決済場所別の割合については、飲食店、スーパー、ドラッグストア・乾物、パン・クッキー・ケーキショップ、百貨店の順で、それぞれ19.7%、16.9%、5.9%、5.8%だった。両局では、幅広い業種に恩恵をもたらしている状況が伺えるとした。

 マカオでは、昨年も同額の現地で広く普及するICカード「マカオパス」のシステムを活用した電子マネーの給付を実施した。近年、マカオ政府は電子決済の普及に力を注いでいる。

 なお、高齢者や子供など、QRコード決済のアカウントを持っていない人については、前年支給した電子マネー用の専用カードを再利用するかたちで支給される。

マカオにおける電子消費給付を使ったQRコード決済のイメージ(写真:マカオ政府経済・科技発展局/金融管理局)

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