広東省当局「台山原発は安全規則と技術仕様に準拠して運転、周辺の環境指標も正常」…約67km離れたマカオ側に通知
- 2021/6/15 13:05
- 香港・大湾区
マカオ警察総局は6月15日朝、米国政府が中国広東省にある台山原子力発電所(漢字表記:台山核電站)で放射性物質漏れがあったとの情報を検証していると報じられたことについて、マカオメディアからの問い合わせに対して文書による回答を行った。
台山原発とマカオは直線距離で約67キロという位置関係。
同局が発出した文書によれば、同局が本件について広東省原子力緊急対応部門に確認したところ、台山原発は原子力安全規則及び技術仕様に準拠して運転しており、継続的な環境モニタリングデータでも発電所及び周辺の環境指標は正常との通知を受けたとのこと。
また、6月15日午前4時時点のマカオ政府地球物理気象局による過去24時間の観測データにおいても、マカオにおけるガンマ線観測量は正常な状況だったとした。
地球物理気象局ウェブサイトのガンマ線検測データをみると、数値は6月13日午後4時から15日午前10時まで1時間あたり0.15マイクログレイ(μGy)で一定だった。同局では、0.35マイクログレイを基準とし、これを下回る状況を正常と定義している。
「広東原発事故緊急対応粤(広東)澳(マカオ)協力コンセンサス」を根拠に、マカオ警察総局は今年に入って以降、台山原発における事故の通知を2月21日と4月5日に計2件受けたが、いずれも事故レベル0(ゼロ)であり、安全運転、従業員の健康、周辺の人々と環境に影響があるものではなかったという。
台山原発は中国とフランスによる合弁事業で、2018年12月に運転を開始した。主に広東省に電力を供給している。マカオにも火力発電所はあるが、電力の大半を中国本土からの輸入に頼っている。