マカオの市街地にある貯水池と人工湖でカミツキガメ発見…当局が3匹捕獲

 このところマカオにおいて本来生息していない外来生物の発見例が相次いでいる。

 いずれも人為的に持ち込まれ、遺棄されるなどしたものとみられ、当局が生態系の破壊につながる行為として生物の取り扱いに関して注意を呼びかけている。

 マカオ市政署(IAM)は6月16日、地元メディアがカミツキガメとみられるカメが泳ぐ姿を見たとする市民の声を報じたことを受け、巡回と捜索活動に着手し、マカオ半島の市街地にある南灣人工湖と貯水池でカミツキガメ3匹を捕獲することに成功したと発表。

 同署によれば、カミツキガメは米州原産の肉食性のカメで、サイズが大きく、攻撃性が強いといった特徴があり、マカオの生態系において天敵が存在しないため、生態系にとって大きな脅威となる外来生物にあたるとのこと。

 今回捕獲されたのは成体が2匹、幼体が1匹で、いずれも健康状態に問題があり、それぞれ栄養不足、体表感染、甲羅部分の腐食・変形といった問題が確認されたという。目下、隔離検疫と獣医による治療を進めているところとした。

マカオで捕獲されたカミツキガメ(写真:IAM)

 マカオでは、今月だけでもコロアン島の山地で「グリーンイグアナ」、域内の多くの湿地や渓流で「ウシガエル」が発見されたほか、2月にはタイパ島の池で「ミステリークレイフィッシュ」と呼ばれる繁殖力の強いザリガニ、昨年3月には今回カミツキガメが見つかった貯水池の周囲にある公園で「プレーリードッグ」が見つかっている。

 なお、グリーンイグアナ、ウシガエルも健康状態に問題が確認されているほか、プレーリードッグも捕獲後しばらくして死亡したといい、マカオの自然環境に適応できなかった状況も伺える。

カミツキガメの捜索と捕獲にあたるマカオ市政署の職員(写真:IAM)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は11月22日、違法薬物密売及び使用の疑いで香港人の女(37)を逮捕したと発表。…
  2.  マカオ・コタイ地区にある複合リゾート「リスボエタマカオ(澳門葡京人)」併設のショッピングアーケー…
  3.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  4.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  5.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun