中国、南京空港で発生のクラスター拡大…各地へ波及、広東省珠海市でも新たに無症状感染者1人出現…新型コロナ=7/25

 中国の南方にあり、香港やマカオと接する広東省、中でも広州市と仏山市を中心に5月下旬から新型コロナウイルス感染症の再流行が出現。厳格な防疫措置が奏功し、6月末までに一旦終息した。

 中国本土では、このところ雲南省において市中感染及び輸入性感染確認例が相次いでいるほか、近日では江蘇省南京市にある南京禄口国際空港でクラスターが発生。空港周辺エリアを中心に厳戒態勢が敷かれている。

 広東省衛生健康委員会が7月26日朝に発表した内容によれば、25日全日の省内における新型コロナの市中感染例はマカオに隣接する珠海市で無症状が1人とのこと。患者は南京滞在歴(南京空港含む)があったことから隔離の対象となっており、隔離中の検査を経て発見に至ったものという。

 南京空港クラスター関連の感染例は省内で2人目。1人目は23日に無症状感染が明らかとなり、24日に感染確認に転じた女性。

 この日の省内における輸入例は感染確認が4市(広州、深セン、仏山、清遠)で8人、無症状感染が2市(広州、仏山)で6人。

 広東省の7月25日24時時点までの累計感染確認報告例は2853人(輸入例1286人)で、66人が医師による治療を受けている状況という。

 広東省内では、リバウンドや輸入例に対する警戒は続くものの、各地の状況に応じて各種防疫措置の調整(緩和)、それに伴う正常化が進んでいたが、中山市及び珠海市内で南京空港クラスター関連の感染者が出現したことを受け、両市では防疫措置の引き締めが図られるなど、警戒が高まっている。

 雲南省では、25日の市中感染確認例は無症状も含めてゼロだった。市中感染確認がゼロとなるのは2日ぶりのこと。輸入性は感染確認が18人、無症状が1人。

 江蘇省の25日の市中感染確認は39人で、いずれも南京空港のクラスター関連。南京空港のクラスターに端を発した同省における今回のリバウンド開始後の累計感染確認は76人、無症状は13人に上る。上述の広東省のケースも含め、同空港を経由して中国各地へ向かった人への伝播も複数確認されている。

 南京市内では全民PCR検査が展開されており、7月24日までに約920万人分のサンプルを収集し、57人が陽性だったとのこと。陽性となった人は空港のある江寧区のほか、溧水区、建鄴区、高淳区の市内4区に分布していたという。25日午前11時からから2回目の全民PCR検査がスタートした。

 7月25日24時時点の中国全土の感染確認者数は741人で、うち17人が重症。無症状の患者436人が医学観察下にあるという。

 マカオと広東省の間は人の往来も多いことから、マカオ政府は矢継ぎ早に水際措置の強化と域内における防疫措置の調整などの対策を講じてきたが、状況の緩和に伴い措置の見直しが続き、7月10日をもって再流行前と同水準(直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で往来可能)にまで戻った。今回、南京空港クラスター関連の感染者が出現した中山市と珠海市は広東省の中で最もマカオに近い位置にあり、マカオ衛生当局が水際措置の調整を行うなど対応を進めている。すでに、雲南省の一部のほか、南京空港クラスター及び拡散先となる江蘇省南京市の一部、遼寧省瀋陽市の一部、四川省綿陽市の一部についても中リスク地域に指定され、マカオ入境時に14日間の隔離検疫が必須となっている。

 深セン市と陸で接する香港では、5月下旬に流行第4波が終息。以降、48日にわたって市中における伝播の出現はなく、輸入関連性事案が4人確認されたのみ。香港と中国本土の間の往来制限は維持されているため、マカオのような中国本土における状況の変化に応じた水際措置の調整は行われていない。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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