中国、江蘇省で新たに48人感染確認…南京空港クラスターの影響拡大、防疫措置の引き締め進む=7/27

 中国の南方にあり、香港やマカオと接する広東省、中でも広州市と仏山市を中心に5月下旬から新型コロナウイルス感染症の再流行が出現。厳格な防疫措置が奏功し、6月末までに一旦終息した。

 中国本土では、このところ雲南省において市中感染及び輸入性感染確認例が相次ぐほか、近日では江蘇省南京市にある南京禄口国際空港で100人超のクラスターが発生している。

 広東省衛生健康委員会が7月28日朝に発表した内容によれば、27日全日の省内における新型コロナの市中感染例は無症状も含めてゼロだったとのこと。同省では23日から25日にかけて南京空港に滞在歴のある男女各1人の市中感染例が報告(1人目は23日に中山市で無症状感染とされた女性が24日に感染確認に転じたケース、2人目は25日に珠海市で無症状感染とされた男性)されているが、26日に続き2日連続で市中感染例がゼロとなった。

 この日の省内における輸入例は感染確認が2市(広州、肇慶)で3人、無症状感染が3市(広州、仏山、肇慶)で5人。

 広東省の7月27日24時時点までの累計感染確認報告例は2869人(輸入例1302人)で、68人が医師による治療を受けている状況という。

 広東省内では、リバウンドや輸入例に対する警戒は続くものの、各地の状況に応じて各種防疫措置の調整(緩和)、それに伴う正常化が進んでいたが、中山市及び珠海市内で南京空港クラスター関連の感染者が出現したことを受け、両市では防疫措置の引き締めが図られるなど、警戒が高まっている。目下、珠海市の一部がロックダウンされ、全市民を対象としたPCR検査は27日午後9時までに119.63万人が受検。このうち92.76万人は陰性が判明しており、残りは結果待ちとのこと。

 雲南省では、27日の市中感染確認例は2人(ミャンマー人と中国人が各1人)で、3日ぶりに市中感染例が出現。いずれもミャンマーとの国境にある瑞麗市姐告で隔離検疫中の人を対象に実施されたPCR検査で発見に至ったもの。輸入性は感染確認が16人、無症状が1人。

 江蘇省の27日の市中感染確認は55人に上った。南京空港でクラスターが出現して以降の累計は150人超となっている。さらに、上述の広東省のケースも含め、同空港を経由して中国各地へ向かった人への伝播も複数確認され、省内のみならず全国に波及している。

 南京市当局は27日、市内における防疫措置の一層の引き締めを図るとし、密閉空間にあたるカラオケ店、映画館、フィットネスクラブ等に対して一時営業停止を要求したほか、大規模イベントや不要不急の大型会議に対する厳格な管理を行うと発表。市民に対して、人が集まる機会を減らし、会食やイートインの食事機会を減らすこと、南京市外への外出を控えることなどを呼びかけた。

 7月27日24時時点の中国全土の感染確認者数(治療中)は862人で、うち22人が重症。無症状の患者426人が医学観察下にあるという。

 マカオと広東省の間は人の往来も多いことから、マカオ政府は矢継ぎ早に水際措置の強化と域内における防疫措置の調整などの対策を講じてきたが、状況の緩和に伴い措置の見直しが続き、7月10日をもって再流行前と同水準(直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で往来可能)にまで戻った。今回、南京空港クラスター関連の感染者が出現した中山市と珠海市は広東省の中で最もマカオに近い位置にあり、マカオ衛生当局が水際措置の調整を行うなど対応を進めている。

 深セン市と陸で接する香港では、5月下旬に流行第4波が終息。以降、50日にわたって市中における伝播の出現はなく、輸入関連性事案が4人確認されたのみ。香港と中国本土の間の往来制限は維持されているため、マカオのような中国本土における状況の変化に応じた水際措置の調整は行われていない。

広東省・珠江西岸各都市を結ぶインターシティ鉄道の珠海駅(資料)—本紙撮影

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