中国、新型コロナ再流行続く…新たに7省市で市中感染確認62人、大半が江蘇省=8/4

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な再流行が相次ぎ出現している。

 直近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、全国的な再流行に至る中、各地で防疫措置の引き締めが進む状況。

 中国の国家衛生健康委員会が8月5日朝に公表した内容によれば、4日の中国本土における新規市中感染確認は7省市で計62人。内訳は江蘇省が40人、湖南省が9人、北京市、山東省、河南省、雲南省が各3人、湖北省が1人。無症状は河南省で22人、湖南省で7人、山東省で2人、重慶市で1人の計32人。

 4日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数(輸入性含む)は1285人で、うち26人が重症。無症状の患者527人が医学観察下にあるという。

 中国当局は、南京空港で発生したクラスターの経緯として、ロシアからの到着便の清掃を担当したスタッフが最初に感染し、防疫措置の抜け穴があったことで、空港内での業務に従事する人の間で伝播が進み、同空港から各地へ向かった旅客によって全国に拡散したとの見方を示している。南京市内を中心とした江蘇省内のほか、南京空港から湖南省の張家界市を経て広がったとみられるケースの影響が大きい。河南省では直近で大規模水害に見舞われた鄭州市の医療機関で大規模な院内感染が発生した。

 中国当局では、このところの再流行は空港、イミグレーション施設、医療機関において輸入関連性の症例が相次ぎ出現、一定範囲に拡散して後に全国各所に波及し、局地的な大規模流行につながったものとし、重点的に対処を進める考えを示している。

 広東省と陸で接するマカオでは、新型コロナの市中における感染確認例が約490日にわたってゼロを維持していたが、8月3日に市中で一家4人(夫妻、息子、娘)が感染確認された。いずれもデルタ株感染。夫妻が珠海市で受けたPCR検査結果が陽性だったことから連鎖的に発覚したもの。マカオ政府衛生局による初歩疫学調査では、学校の交流行事(参加者30人)で7月19日から24日まで陝西省西安市を訪問していた娘が最初に感染し、一家に伝播した可能性が高いという。娘は7月19日に珠海空港から中国南方航空CZ3761便に搭乗して西安に向かったが、この便の機材は直前に南京から珠海に到着したもので、後に乗客の中から2人の感染者が出現していたことがわかっており、感染源とみられるため。一家4人全員に症状が出現している。

 今回のケースでは、一家4人が潜伏期間中及び発症後の数日にわたって市中にいたことから市中における伝播があった可能性も否定できない状況で、マカオでは即座に一家4人の住居や立ち寄り先などを局地ロックダウンしたほか、密接接触者と二次接触者に対する隔離検疫を実施。また、4日午前9時から7日午前9時まで、3日間かけて全市民を対象としたPCR検査を実施することを決めた。これまでのところ、密接接触者及び二次接触者ら先行してPCR検査の対象となった人の中から新たな陽性者は出ていない。

 娘が珠海空港を利用していたほか、父親が広東省珠海市と中山市、母親が珠海市を訪問していたことから、珠海市と中山市でも防疫措置が引き締められた。目下、マカオとの往来については、4日午前6時から12時間以内のPCR検査陰性証明の提示が必要となっている。

 また、4日には密接接触者1人が香港入りしていたことも判明。すでに検疫センターに移送済みで、検査結果も陰性だったという。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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