人口約750万人の香港では、昨年（2020年）11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、政府が5月29日に終息との見方を示した。

　6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例（いずれも当初市中感染例からの変更）、8月5日には建設作業員の市中感染確認（感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例）があった。

　香港政府の発表によれば、8月9日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は2人で、いずれも輸入性（海外からの入境者）とのこと。市中感染確認例は4日連続ゼロとなった。

　1人目の輸入性の患者はルーマニアから入境した男性（39）で、4月と5月に新型コロナワクチン「コミナティ」（日本でファイザーと呼ばれているもの）を2回接種済みだった。目下、L452R変異株感染の有無を調べる検査の結果待ち。2人目はロシアから入境した生後7ヶ月の乳児（女）で、L452R変異株感染とのこと。

　翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群（初歩感染確認者）は5人以下という。

　香港における過去14日間（7月26日〜8月8日）累計の新規感染確認は35人で、内訳は輸入性事案が34人、市中事案が1人（感染経路不明）。ここまでの累計感染確認数は1万2016人（擬似事案1人含む）。

　香港の8月8日午後8時時点のワクチン接種率は51.4%（1回目の接種完了）、39.5%（2回目の接種完了）となっている。累計接種回数は618万0091回、1日あたり接種回数は5万5345回（7日移動平均値6万5868回）。9月末までに政府が免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割を突破できる見通し。

香港のイメージ＝香港島・中環にて本紙撮影