中国、新型コロナ市中感染確認は江蘇省の6人のみ…再流行発生から約1ヶ月でほぼ沈静化=8/17

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な再流行が相次ぎ出現している。

 直近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、全国的な再流行が持続する中、各地で厳格な防疫措置が講じられている状況。

 中国の国家衛生健康委員会が8月18日朝に公表した内容によれば、17日の中国本土における新規市中感染確認は6人で、すべて江蘇省。無症状感染は前日に続きゼロを維持した。

 17日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数(輸入性含む)は1887人で、うち62人が重症。無症状の患者500人が医学観察下にあるという。

 7月下旬から始まった中国本土におけるリバウンドは南京空港で発生したクラスターから波及したものだが、そのきっかけは海外から到着した航空機とされている。これまで10を超える省市とマカオに波及したものの、すでに伝播を断ち切ることに成功したところもあり、近日は主に江蘇省、河南省、湖北省、湖南省の4省で新規感染例の出現が続く状況。江蘇省の新規感染確認例は、初期には南京市に集中していたが、直近では揚州市にシフト。河南省では鄭州市にある境外からの感染者を収容する医療機関で発生したデルタ株の院内感染が発端で、市中に拡散した。また、湖北省の武漢市では建設現場でのクラスターが発生しており、作業員の1人が江蘇省の淮安を訪問した団体旅行客と鉄道駅で交差していたことがわかっている。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして対処を進めており、新規感染確認数は16日まで7日連続で減少、17日は前日と同数となっており、ほぼ沈静化したとみられる。中国では今年5月下旬に広東省でも再流行が発生したが、約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。

 このほか、17日に福建省で再陽性事案が1人確認されている。患者は今年7月頭に輸入性感染確認された37歳の男性船員で、広東省広州の医療機関で治療を受け、7月末に治癒し、14日間の医学観察期間中に受けた5回のPCR検査結果が陰性となり、8月15日に退院。同日、アプリ配車サービスを利用して広州南駅、そこから鉄道を利用し、深セン北駅で乗り継ぎ、福建省の平潭県に到着後、16日に受けたPCR検査で陽性反応が出現したという。男性はすでに医療機関へ搬送され隔離治療を受けており、当局が密接接触者21人と二次接触者69人に対して集中医学観察(隔離検疫)を講じたとのこと。

 マカオでも南京空港クラスターに絡むデルタ株感染者(一家4人)が8月3日に市中で確認されたことを受けて、防疫措置が大幅に引き締められた。4日から3日間にわたって全市民を対象としたPCR検査が実施され、結果は全員陰性だった。以降も新たな感染確認例はないことから、18日午前0時に患者の住居及び勤務先周辺の市内2ヶ所で実施されていた局地ロックダウンが解除となり、防疫措置が緩和された。

広州と広東省内外を結ぶ高速鉄道と地下鉄が乗り入れる巨大ターミナル「広州南駅」(資料)—本紙撮影

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