マカオ、2021年7月のインバウンド旅客数は78.9万人…広東省における新型コロナ再流行終息で前月から約5割増

 マカオ政府統計調査局は8月19日、今年(2021年)7月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 7月のインバウンド旅客数は前年同月から9.7倍増、前月から49.4%増となる78万9407人(延べ、以下同)。対前月では2ヶ月ぶりにプラスとなった。新型コロナの影響が生じる前にあたる2019年の同月の約22%にとどまる。

 内訳は、宿泊を伴う旅客が前年同月比16.3倍増の41万2735人、日帰り旅客が6.5倍増の37万6672人。旅客の平均滞在時間は前年同月から0.5日長い1.8日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は1.3日短い3.4日、日帰り旅客は横ばいの0.1日だった。

 インバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の91.8%を占める72万4342人、前年同月比では9.9倍増。このうち個人旅行客は29万3927人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が42万6991人で、このうちマカオに隣接する広東省珠海市が49.8%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ5万9135人、5800人。

 インバウンド旅客の入境ルートは前年同月から陸路が8.3倍増の68万4435人で最多。このうち關閘イミグレーション経由が80.6%を占めた。空路は8万2583人、海路は2万2389人。

 前月から増加に転じた要因として、5月下旬から広東省で新型コロナの再流行が出現したことを受けて流入防止を目的とした水際措置の強化が図られたが、6月末にかけて終息したことから、7月初旬に従前水準まで緩和されたことが挙げられる。一方、7月下旬には中国本土の各地で再流行が発生し、マカオでもこれに関連した市中感染確認例が出現したため、再び水際措置が強化され、8月のインバウンド旅客数にマイナス影響が生じる見込み。

 今年1〜7月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から41.1%増の471万7236人。内訳は宿泊を伴う旅客が57.5%増の247万1392人、日帰り旅客が26.6%増の224万5844人。旅客の平均滞在時間は0.2日延びて1.6日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.2日延びて3.0日、日帰り旅客は0.1日短い0.1日。

 マカオと中国本土の間では、昨年第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となったことで、今年5月にかけてインバウンド旅客の緩やかな回復が進んだ。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。

 目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14〜35日間(直前の滞在地域などにより異なる)の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人については原則入境禁止が維持されている。

 マカオの昨年(2020年)通期のインバウンド旅客数は前年から85%の大幅減となる約590万人にとどまった。マカオ政府旅遊局(MGTO)は今年のインバウンド旅客数見通しを600万〜1000万人程度としている。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区(資料)=2021年5月9日本紙撮影

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