中国、無症状含む新型コロナ市中感染確認例が3日ぶりゼロに=9/6

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 直近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があった。

 中国の国家衛生健康委員会が9月7日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、6日の中国本土における新規市中感染確認はゼロだったとのこと。中国本土で市中感染確認例がゼロとなるのは3日連続。また、市中の無症状感染例についても3日ぶりにゼロとなった。

 9月6日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は826人(うち輸入性が625人)で、7人が重症。無症状の患者401人が医学観察下にあるという。

 7月下旬から始まった中国本土におけるリバウンドは南京空港で発生したクラスターから波及したものだが、そのきっかけは海外から到着した航空機とされている。瞬く間に10を超える省市とマカオへ波及したものの、すでに多くのエリアで伝播を断ち切ることに成功。8月中旬以降は主に江蘇省、河南省、湖北省、湖南省の4省で新規感染例の出現が散発的に続いたが、近日は無症状も含めて新たな感染確認例はなく、発生から約1ヶ月を経て落ち着いた状況となっている。

 上記と無関係のケースでは、8月20、21日にかけて上海浦東国際空港の国際カーゴエリアでの業務に従事する5人の感染確認が相次ぎ、以降は密接接触者の中から24日に2人、26日に1人の感染確認があった。ただし、迅速な対処によって同職域及び密接接触者内にとどまっている。同空港では8月初旬にも国際カーゴ機サービススタッフのデルタ株感染例が報告されている。

 直近では9月4、5日にかけて広東省広州市越秀区にある隔離検疫用ホテル「東海大廈酒店」の女性従業員とその密接接触者が相次ぎ感染確認される事案があった(発見当初はいずれも無症状感染)。最初に無症状感染とされた女性従業員は、主に隔離検疫のため滞在中のゲストへの配膳と客室の清掃を担当しており、輸入性感染確認された宿泊客のウイルスゲノム配列が概ね一致することから、輸入関連性の感染例とみられる。次いで感染確認された密接接触者も同ホテルの清掃スタッフだったとのこと。すでにホテル周辺及び患者、密接接触者の関係先は局地ロックダウンされ、スクリーニングが進められている。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。新規感染確認数は8月10日から減少傾向に転じ、目立ったリバウンドもなく沈静化した。すでに多くの地域で防疫措置が緩和に転じている。中国では今年5月下旬に広東省でもデルタ株の大規模な再流行が発生したが、約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun