「DON DON DONKI」マカオ1号店がオープン

 ドン・キホーテなどを傘下に持つ日本の流通大手のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、海外において日本製もしくは日本市場向けの商品や、日本産品を低価格で提供するジャパンブランド・スペシャリティストアをコンセプトとする「DON DON DONKI」ブランドで店舗を展開している。

 9月9日午前10時、DON DON DONKIマカオ1号店がマカオ半島北部の人口密集地、ファイチーケイ(筷子基/Fai Chi Kei)エリアにある沙梨頭南街と沙梨頭海邊馬路の角地にある大規模マンション「信歩閑庭」のG階(路面階)にオープンした。マカオの店舗を運営するのはPPIHグループのマカオ・パシフィック・リム・リテール・マネジメント(PRRM)となる。

 マカオ1号店の面積は1776平米で、24時間営業。「本物の日本」にこだわり、日本国内のドンキ店舗でお馴染みの独特のPOPやデコレーションを再現しており、日本産、日本ブランド、日本プロデュースの商品に特化した食品、フルーツ、寿司・刺身、肉類、デリカテッセン、酒類、健康・美容、雑貨、スポーツ用品、玩具、ペット用品等を取り扱う。プライベートブランド(PB)「情熱価格」の商品も豊富だ。また、店内には、ゲストの目の前で和牛、丼物、焼き鳥、鉄板焼きを調理するオープンキッチンコーナー、焼き芋、おでん、コロッケ、クレープといった日本のストリートフードを提供する屋台コーナーも設けられ、日本の飲食文化を体験できるのも特徴となっている。開店早々長蛇の行列となり、注目度の高さを伺わせる。予想以上に日本らしい雰囲気で日本へ来たような感覚を味わえた、オープンを心待ちにしていた、これまでマカオになかったショッピング体験を楽しめたなど、利用客からも評価の声が多く聞かれた。

「DON DON DONKI」マカオ1号店の入る大型マンション「信歩閑庭」=2021年9月8日、マカオ・ファイチーケイ地区にて本紙撮影

 コロナ禍でボーダーを跨ぐ移動が困難な状況が続く中、マカオ1号店は日本人スタッフが現地入りせずにオープニング準備を進めた初のケースとのこと。DON DON DONKIはすでに香港で複数店舗を展開しており、マカオのスタッフが香港の店舗で研修を受け、香港のスタッフがマカオ入りしてサポートすることで実現できたとし、PPIHにとって非常に意義深い経験だったという。

 マカオ1号店の入居する信歩閑庭は地元マカオの不動産ディベロッパー、信託地産(トラストディベロップメント)が手がける物件だ。同社は日本との縁が深いことで知られる。2019年に不動産投資法人の東通不動産投資株式会社を設立し、日本へ進出。コロナ禍でマカオと日本の往来が困難な中にあって、これまでに東京都心部を中心に40件近い不動産を購入したほか、建築開発法人の東通建物株式会社、管理会社法人の東通コミュニティ株式会社を相次ぎ設立して「東通グループ」を形成。今後も日本への投資と日本における業務拡張を計画しているという。信託地産総経理で東通不動産及び東通建物創業者の鄭建東氏によれば、DON DON DONKIとのコラボレーションは、双方スタッフのたゆまぬ努力とクラウド契約の活用など通じてプロジェクトを推進し、待望のマカオ誘致を実現できたとのこと。また、DON DON DONKIのマカオ進出は、日本とマカオの文化的・経済的交流をより一歩進めるものになると信じており、今後日本とマカオの間の出入国規制が早期に解除され、両地間で多くの文化・ビジネス交流機会が増えることに期待するとした。

「DON DON DONKI」マカオ1号店内にある寿司コーナーの様子=2021年9月8日、本紙撮影

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