マカオ、隔離検疫用ホテルでクラスター…警備員6人が相次ぎ新型コロナ感染確認

 近日、タイパ島北東部のマカオ国際空港向かいにあり、新型コロナ隔離検疫用ホテルに指定されている金皇冠中国大酒店(ゴールデン・クラウン・チャイナ・ホテル)の警備員の間で新型コロナの感染確認例が相次いでいる。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは9月28日午後、新たに2人の感染が確認されたと発表。いずれも金皇冠中国大酒店に警備員として勤務する男性(第69、70例)。同ホテルの警備員の感染確認は24日以降、累計5人となった。

 また、マカオにおける新型コロナ感染確認者数は累計70人(輸入性が60人、輸入関連性が10人)に。

 同ホテルでは、9月18日にトルコから到着し、隔離検疫中だったマカオ居民の男性が24日未明に感染確認(第64例)された後、24日深夜から25日未明にかけて、警備員の男性2人が相次ぎ感染確認(第65、66例)されており、いずれも感染力の強いデルタ株だった。28日午前にも、第65例の患者の同僚にあたり、交代要員として同フロアで勤務していたことがあった警備員が感染確認されたばかり(第68例)。

 以降、同ホテルでは閉塞管理が行われており、28日に感染確認された第68、69、70例の患者ついても、25日からホテル内に留まっていたといい、28日に受けたPCR検査結果が陽性となり、感染確認に至ったもの。

 これまでの経緯として、第65、66例の患者が勤務中にマスクを正確に着用せずに(鼻と口を防護していない状態)、第64例の患者との接触があったことがわかっている。また、第68例の患者は第65例の患者の交代要員として同フロアで勤務、第69例の患者は第64例の患者を連れて客室に入っており、第70例の患者は第65例の患者と接触歴があったという。政府新型コロナウイルス感染症対策センターは28日夕方の記者会見で、警備員5人の感染源は第64例である可能性が高いとの見方を示した。

 このほか、同ホテルと館内通路で直結する金寶來酒店(トレジャーホテル)で隔離検疫中だった中東・欧州渡航歴のある香港から到着した香港居民の女性が27日午後に感染確認(第67例)されたが、警備員5人のケースとの関連性は低いとみられるとのこと。

 クラスターの発生を受け、マカオ政府が同ホテルで隔離検疫中の約150人を別の隔離検疫用ホテルへ移送し、館内の消毒を実施する準備を行っているという。

 これまでに感染確認された警備員5人の住居周辺では、感染確認後、それぞれ速やかに許地ロックダウンが行われている。また、25日午後3時(マカオ時間)から3日間(72時間)にわたって全市民を対象としたPCR検査が実施され、これまでのところ局地ロックダウンエリア内の住民、全市民を対象としたPCR検査を受けた人の中から陽性者は出ておらず、市中における伝播は確認されていない。ただし、政府新型コロナウイルス感染症対策センターでは、今後も金皇冠中国大酒店に関連する新たな感染確認例が出現する可能性も否定できず、市民に対して引き続きリスク管理意識を高く保持してほしいと呼びかけている。

 このところ、香港や中国本土(広東省広州市)でも隔離検疫用ホテルのスタッフが感染確認されたケースがあった。マカオ政府は隔離検疫用ホテルにおける防疫措置の点検、ルール遵守を徹底したことを明らかにしている。

【追記(マカオ時間19:38)】

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは9月28日夜、新たに1人の感染が確認されたと発表。患者はこれまで5人の警備員が相次ぎ感染確認された金皇冠中国大酒店と館内通路で直結する金寶來酒店に警備員として勤務する男性(第71例)。隔離検疫中の宿泊者及び他のホテルスタッフとの接触はなかったが、金皇冠中国大酒店と警備員用の更衣室を共用しており、第65、66例の患者との交差があったとのこと。第71例の患者についても、25日からホテル内に留まっており、一人部屋で過ごしていたため、以降はホテルスタッフとの接触はないという。

※追記に伴い、タイトル内の人数部分を5人から6人へ変更しています。

マカオ・金皇冠中国大酒店外観(資料)=2016年7月本紙撮影

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