香港、新型コロナ市中感染確認42日連続ゼロ…輸入性は13人、うち9人がワクチン接種済み=9/28
- 2021/9/28 18:26
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。
6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、目立ったリバウンドはなく、落ち着いた状況が続いている。
香港政府の発表によれば、9月28日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は13人とのこと。すべて輸入性(海外からの入境者)のケースで、市中感染確認例に限ると42日連続ゼロを維持した。
患者13人は、ケニア(1人)、イタリア(1人)、モロッコ(5人)、インド及びアラブ首長国連邦(1人)、米国(1人)、パキスタン(1人)、キルギスタン(1人)、フィリピン(2人)から香港へ到着。このうち7人が新型コロナワクチン接種済みだったとのこと。また、潜伏期間中に香港滞在歴がある患者が2人おり、香港の関係先が強制ウイルス検査の対象とされた。
香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。両国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。
翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は10人以下という。
香港における過去14日間(9月14〜27日)累計の新規感染確認は50人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2210人(擬似事案1人含む)。
香港の9月27日午後8時時点のワクチン接種率は66.3%(1回目の接種完了)、61.4%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は860万0780回、1日あたり接種回数は2万6662回(7日移動平均値2万7957回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、近日は接種回数が落ち込む日もあり、クリアできるかどうかは微妙な状況。
香港衛生当局は28日、同月26日にカタール航空QR818便でドーハから香港に到着した乗客のうち4人が空港での検査で感染確認され、香港の防疫措置規則に違反していたとし、同社が運航するドーハ出発便を10月11日まで香港乗り入れ禁止処分とすることを発表した。同社は過去にも同様の理由で乗り入れ禁止処分を受けている。
このほか、マカオで27日、4月から7月にかけて中東・欧州渡航歴のある香港から港珠澳大橋経由で到着した香港居民の女性が隔離検疫期間中に感染確認されたケースに関する通報が香港衛生当局にあったとし、潜伏期間中に香港滞在歴があることから、香港の関係先が強制ウイルス検査の対象とされた。マカオ衛生当局は、この患者について、再陽性である可能性もあるとの見方を示している。
香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。