香港、新型コロナ市中感染確認19日連続ゼロ…輸入性はパキスタンと米国から到着の5人=10/27
- 2021/10/27 16:18
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。
6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。
香港政府の発表によれば、10月27日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は5人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると19日連続ゼロを維持した。
輸入性の患者3人は10〜77歳の1男2女で、3人がパキスタン(アラブ首長国連邦経由)、2人が米国(直行便と韓国経由が各1人)から空路香港へ到着。パキスタンから到着した女性(10)以外の全員が新型コロナワクチン接種済み。2人の変異株感染が判明済みで、残る1人はウイルス量不足で変異株の有無を調べる検査ができず、2人は検査結果待ちとのこと。米国から直行便で到着した男性(54)は貨物便のクルーで、潜伏期間中に香港滞在歴があったことから、ランタオ島ディスカバリーベイにある自宅周辺及び立ち寄り先が強制ウイルス検査の対象とされた。
翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は5人以下という。
香港における過去14日間(10月13〜26日)累計の新規感染確認は58人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2336人(擬似事案1人含む)。
香港の10月26日午後8時時点のワクチン接種率は68.3%(1回目の接種完了)、65.4%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は899万9383回、1日あたり接種回数は9579回(7日移動平均値1万0871回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、ここまで未達成が続いており、10月中の達成も微妙な状況。なお、10月に入って以降、台風の接近に伴い複数日にわたって市内各所に設けられた接種ステーション一部時間帯または終日クローズを余儀なくされた。
香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。
このほか、香港衛生当局は27日、同月25日にエミレーツ航空EK384便でドバイ(バンコク経由)から香港に到着した乗客のうち3人が空港での検査で感染確認されたことが香港の防疫措置規則に違反するとし、同社が運航するドバイとバンコク出発便を11月9日まで香港乗り入れ禁止処分とすることを発表。同便は過去にも同様の理由で乗り入れ禁止処分を受けたことがある。