マカオ、新型コロナ隔離検疫施設の管理体制見直し…市中感染につながるリスク軽減目的

 マカオでは、新型コロナウイルス感染症の外地からの流入防止のため、厳格な水際措置が講じられている。外地からの入境者に対する一定期間の医学観察(隔離検疫)もその一環。

 現在、隔離検疫免除で相互往来が可能となっているのは中国本土(リスク地域以外)のみとなっており、外国人の入境も厳しく制限されている状況。

 今年(2021)9月末から10月初頭にかけて、隔離検疫用ホテルの警備員を発端とする市中感染も出現。警備員がマスクを正確に着用しない状態で隔離検疫中に感染確認された患者と接触していたことが原因とされ、管理体制が問題視された。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは11月11日夕方の定例記者会見の中で、市中感染につながるリスクを軽減する目的で、隔離検疫施設の管理体制を見直すことを発表。

 今後、11月中にマカオ国際空港隣接地にあるトレジャーホテル(金寶來酒店)を新たに設ける専門医学観察(隔離検疫)ホテルカテゴリーとして運用し、リスク度合いが高い空路シンガポール経由のマカオ入境者の滞在先とするとした。現在、海外から空路で直接マカオへ入境する場合、シンガポール経由が唯一の選択肢となっている。

 現在、隔離検疫の対象となる国・地域からマカオへ入境する場合、政府指定ホテル(選択不可)または複数の自選ホテルが滞在先の候補となる。11月20日以降、マカオへ向かう航空機に搭乗する際のチェックイン手続き時、または香港から港珠澳大橋経由でマカオへ向かうシャトルバスの乗車前に予約確認書の提示を必須にするとのこと。自選ホテルはすでに予約受付可能で、政府指定ホテルは11月15日から受付予定、専門医学観察ホテルについては決定次第発表されるという。

 また、隔離検疫用ホテルのスタッフに対する管理強化も進めているとし、市中感染につながるリスクを軽減するため、閉塞管理の導入やPCR検査受検頻度を高めるなどの対策を講じているという。隔離検疫中の入境者との直接的接触機会を減らすため、ロボットの活用も進めるとし、専門医学観察ホテルから先行導入予定とした。

 マカオにおける11月10日までの累計隔離検疫者数は延べ5万3860人で、現在隔離検疫中は1074人とのこと。ピーク時には12軒のホテルで5000人が隔離検疫を受けたこともあった。マカオの累計感染確認者数は77人だが、このうち隔離検疫中に感染確認された患者は25人(3人は過去に感染歴のある人が再陽性となるケース)だったという。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる記者会見=2021年11月11日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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