香港、新型コロナ市中感染確認38日連続ゼロ…輸入性は6人、全員ワクチン2回接種済み=11/15
- 2021/11/15 17:52
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。
6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。
香港衛生当局の発表によれば、11月15日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は6人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると38日連続ゼロを維持した。
輸入性の患者6人は11月11日から13日にかけて南アフリカ(カタール経由)、ドイツ(カタール経由)、オランダ・ドイツ(アラブ首長国連邦経由)、フィリピン、パキスタン(トルコ経由)から香港へ到着。全員が香港で新型コロナワクチンを2回接種済みで、うち4人がL452R、1人がN501Y変異株感染。残る1人についても変異株の有無を調べる検査の結果待ちとのこと。N501Y変異株感染だった患者は南アフリカから到着したが、潜伏期間中に香港滞在歴があったため、香港の住居周辺一帯が局地ロックダウンされ、ロックダウン範囲内の全住民が強制検査の対象とされた。
香港における過去14日間(11月1〜14日)累計の新規感染確認は35人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2388人(擬似事案1人含む)。
香港の11月14日午後8時時点のワクチン接種率は69.4%(1回目の接種完了)、66.5%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は919万1379回、1日あたり接種回数は1万1808回(7日移動平均値1万3493回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月に入って以降も未達が続く。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の接種回数は1日あたり5814回、累計では4万2510回に。
このほか、近日ドイツ・フランクフルトから到着したキャセイパシフィック航空の貨物機クルーが相次ぎ感染確認(L452R変異株)されたケースについて、香港衛生当局は疫学検査の結果、クルーが現地で宿泊したハイアット・リージェンシー・マインツにおいてクラスターが発生した可能性があると発表。航空会社クルーは指定施設での隔離検疫免除の対象だが、11月1日以降に当該ホテルに宿泊歴のあるクルーについて、チェックアウト後21日間を指定隔離検疫施設での強制検疫を必須とする措置を講じるとした。
香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。