マカオ、新型コロナ「不活化ワクチン」の接種適用下限年齢を満3歳に引き下げ
- 2021/11/22 10:10
- 社会・政治
人口約68万人マカオでは、今年(2021年)2月上旬から新型コロナワクチン接種がスタート。ワクチンの在庫は初期から充足しており、市内各所に接種ステーションが設けられ、費用は無料だ。広く市民が接種を受けることができる体制が整っている。
目下、マカオでは、中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチンとドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の2種類のワクチンが使用されている。市民は、いずれかの中から希望する方の接種を受けることができるが、2つのワクチンには接種対象が規定されているため、年齢等の条件によって選択肢がない場合もある。
11月22日付のマカオ特別行政府公報において、不活化ワクチンの接種対象下限年齢を12歳から3歳へ引き下げる旨の行政長官令が掲載された。これにより、マカオにおける不活化ワクチンの接種対象は「満3歳以上かつ60歳未満と健康状況が良好でリスク暴露度の比較的高い60歳以上」となる。
同ワクチンの接種下限年齢は10月18日に18歳から12歳に引き下げられたばかり。香港でも11月20日に不活化ワクチン(香港で使われている不活化ワクチンはマカオと異なる中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製「CoronaVac」)の接種下限年齢が3歳に引き下げられている。
なお、もう一方のドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の接種対象については、「12歳以上」で不変。
マカオでは、11月19日に政府が免疫の壁を構築するための目標として掲げてきた「接種率7割」を達成したばかり。同日時点の接種対象となる12歳以上人口に限った接種率は78.8%。年齢層別の接種率は、12〜19歳が58.5%、20〜29歳が91.4%、30〜39歳が94%、40〜49歳が97.8%、50〜59歳が79.3%、60〜69歳が57.8%、70〜79歳が37.1%、80歳以上が12.2%で、20歳未満と60歳以上の接種率向上が課題だ。
目下、新型コロナ防疫対策の一環として厳格な水際措置が講じられているが、政府はワクチン接種率の向上などを条件に、来年にかけて中国本土・香港との三角往来を手始めに、域外との往来正常化を目指す考えを示している。
このほか、マカオでは11月9日から「ブースター接種」と呼ばれる3回目の接種もスタートしている。