香港、新型コロナ市中感染確認69日連続ゼロ…輸入性は10人=12/16
- 2021/12/16 18:31
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。
6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。
香港衛生当局の発表によれば、12月16日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は10人で、すべて輸入性(海外からの入境者)だったとのこと。市中感染確認例に限ると69日連続ゼロを維持した。
輸入性の患者は12月1日に日本から到着した貨物船「GLORY SKY」号の乗組員の男性1人と12月10〜15日にかけてオランダ(カタール経由)、ネパール(4人)、ウクライナ・リトアニア(カタール経由)、インドネシア、ドイツ、ケニア・アラブ首長国連邦・インド、ウクライナ・ウガンダ(アラブ首長国連邦経由)から空路それぞれ到着した男女。全員がL452RまたはN501Y変異株感染だった。
貨物船GLORY SKY号の乗組員の感染確認は8人目。ドイツ、ケニア・アラブ首長国連邦・インド、ウクライナ・ウガンダからの入境者2人は航空会社のクルー。インドネシアから到着した患者は、ホームヘルパーとして就労するため入境。香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。当該国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。
香港における過去14日間(12月2日〜15日)累計の新規感染確認は57人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2507人(擬似事案1人含む)。
香港の12月15日午後7時時点のワクチン接種率は71.6%(1回目の接種完了)、68.1%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は968万3623回、1日あたり接種回数は5348回(7日移動平均値1万4881回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は27万6201回。
香港衛生当局では、新型コロナの世界的な流行は依然として非常に深刻な状況にあり、より感染力の強い変異型ウイルスの症例が増加、またワクチンを接種した人の感染報告もあるとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)よう強く呼びかけている。
このほか、香港衛生当局は、12月14日にネパール航空RA409便でカトマンズから香港に到着した乗客のうち4人が空港での検査で感染確認されたことが香港の防疫措置規則に違反するとし、同社が運航するカトマンズ出発便を12月29日まで香港乗り入れ禁止処分とすることを発表。同社は10月、11月にも同様の理由で乗り入れ禁止処分を受けたことがある。