中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は3省区で182人…陝西省西安市が主=12/27

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が12月28日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月27日の中国本土における新規市中感染確認は182人(前日から20人増)だったとのこと。内訳は陝西省180人(西安市175人、咸陽市3人、延安市2人)、浙江省1人(紹興市)、雲南省1人(昆明市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは72日連続。市中の無症状感染例についても5日連続の出現となり、雲南省2人(シーサンパンナタイ族自治州)、貴州省1人(銅仁市)の計3人。

 12月27日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2275人(うち輸入性が731人)で、重症者は12人(輸入性3人)。無症状の患者496人(輸入性467人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月下旬以降、内モンゴル自治区、黒竜江省、浙江省、陝西省における感染確認例の急増や各地での新規感染確認例の出現により、再び感染確認者数に占める市中感染患者が過半数を占める状況が続いている。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、10月中旬以降、中国本土の多くの地域で感染力の強いデルタ株の市中感染例が散発している状況。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。近日、内モンゴル自治区、黒竜江省、浙江省における再流行はほぼ落ち着き、全国的には安定した状況を維持しているが、新たに陝西省西安市を中心に新規感染確認例が相次いでいる。香港マカオと陸で接する広東省でも感染確認例が相次いで出現。広東省のケースは東莞市が主で、陝西省西安市での流行と同一感染源(12月4日に到着したパキスタンからの輸入性事案と型がほぼ一致するデルタ変異株)で、広東省以外の省市でも関連事案が確認されている。西安市では23日から全市で閉塞管理(ロックダウン)が実施され、全市民対象のPCR検査が複数回にわたって実施される中、新たな感染確認が多数見つかっている状況。同市における27日までの累計感染確認数は約800人に達し、27日からは防疫措置が引き上げられ、PCR検査を受ける目的以外での外出が禁止となった模様。

 27日に出現した無症状感染例のうち、雲南省(シーサンパンナタイ族自治州)の1人は12月16日に湖南省から高速鉄道を利用して広州へ、広州からは空路で雲南省入りしたとのこと。また、同じく貴州省の1人は21日から25日まで雲南省シーサンパンナタイ族自治州を訪問していたという。

 このほか、マカオ特別行政区では12月27日まで79日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区では同80日連続ゼロ。具体的なスケジュールや条件等は未公表だが、中国本土、香港、マカオの三地間で隔離検疫免除の相互往来を再開する準備が進められている。

広州と広東省内外を結ぶ高速鉄道と地下鉄が乗り入れる巨大ターミナル「広州南駅」(資料)—本紙撮影

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