香港、新型コロナ新規陽性者33人…キャセイ航空CAきっかけのオミクロン株感染連鎖拡大続く=1/6
- 2022/1/6 20:23
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、2020年11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、2021年5月にかけて状況が落ち着き、同月末までに終息した。
6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、長く市中における連鎖的な伝播は出現していなかったが、大晦日に検疫規則違反のキャセイパシフィック航空の男性クルーをきっかけとしたレストラン「望月樓」店内での伝播が出現したことが判明し、83日にわたって続いた市中感染確認例ゼロ記録がストップ。年初にはキャセイ航空の女性クルー(キャビンアテンダント職)を発端とした別の感染連鎖伝播チェーンが出現し、連日新たな陽性者が相次いでいる。いずれも感染力が非常に強いとされるオミクロン変異株の事案。
香港衛生当局の発表によれば、1月6日午前0時時点集計の単日の新規陽性者は33人で、内訳は輸入関連性を含む市中が5人、輸入性(海外からの入境者)が28人。
輸入関連性の5人は、キャセイ航空CAの母親からの伝播とみられ、同じレストランに居合わせていたことがわかっている。
輸入性の患者28人については、フィリピンの11人をはじめ、ネパール、インド、オーストラリア、ポルトガル、スイス、カナダ、フランスから到着。
また、初歩陽性者は30人以上に上り、市中ではキャセイ航空CAの母親からの伝播チェーンが含まれるとのこと。また、1月3日に開催された大規模パーティ参加者の中から初歩陽性者が出現したことを受け、居合わせた政府高官の1人が密接接触者に指定され、隔離検疫のため検疫センターに移送されたことが発覚。このパーティには複数の政府関係者、議員らも参加していたとされ、香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が6日午後に記者会見を開き、多くの市民が防疫措置へ協力する中での軽率な行為に失望を表明した。
香港では昨今の情勢の変化を受けて、域内における防疫措置(ソーシャルディスタンス措置)が1月7日から、水際措置が1月8日からそれぞれ14日間にわたり引き締めとなる。
このほか、香港の1月5日午後8時時点のワクチン接種率は73.4%(1回目の接種完了)、69.5%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は1008万2146回、1日あたり接種回数は3万8368回(7日移動平均値2万7882回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は昨年9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。また、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は45万5642回。直近で市中感染確認例が相次ぎ出現したことで、再び接種回数に増加傾向が見受けられる。