マカオ、新型コロナワクチン「ブースター接種」の対象拡大
- 2022/1/7 10:35
- 社会・政治
人口約68万人のマカオでは、昨年(2021年)2月上旬から新型コロナワクチン接種がスタート。ワクチンの在庫は初期から充足しており、政府が広く市民が接種を受けることができる体制を整備してきた。
マカオの場合、昨年2月の接種スタート以降、一貫して中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチンとドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の2種類のワクチンが使用されており、市民は希望する方の接種を受けることができる(ただしワクチンによって接種対象年齢などの要件は異なる)。昨年11月中旬に政府が免疫の壁を構築するための目標として掲げてきた接種率7割を達成済み。
ワクチンの有効性を持続させることを目的としたブースター接種は世界の趨勢となるなか、マカオでも昨年11月9日から「ブースター接種」と呼ばれる3回目の接種が実施されている。ただし、接種対象は2回目の接種から少なくとも24週間が経過していることを前提に、18歳以上で高曝露リスクの職場(イミグレーション施設、航空機クルー、隔離検疫施設、PCR検査関連、消防士、コールドチェーン食品関連等)に勤務する人、18歳以上で免疫力の低下している人、18歳以上でグループホーム等において集団生活を送る人、18歳以上で高リスク国・地域へ渡航予定がある人、60歳以上に限られていた。また、このタイミングから異なる技術を用いたワクチンの混合接種(過去2回に不活化ワクチンを接種した人がブースター接種でmRNAワクチン、またその逆)についても認められるようになっている。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは1月6日午後の定例記者会見において、同日からブースター接種の対象を拡大すると発表。高曝露リスク職や免疫力の低下している人などに関わらず、18歳以上で2回目の接種から少なくとも24週間が経過している人に対し、3回目の接種を提案するとした。加えて、外国や台湾などへ渡航するなど切迫した事情がある場合、2回目の接種から12週間が経過していれば3回目の接種が可能に。
なお、中国の国家衛生健康委員会(NHC)や香港の専門家による研究結果を鑑み、不活化ワクチンを2回接種済みの人については、3回目にmRNAワクチンを接種することでより良い効果が期待されるとした。オミクロン変異株に対する効果に関しては、mRNAワクチンのブースター接種によって抗体レベルを維持することで、重症化や入院、死亡リスクの低減につながるとする研究結果が報告されていることを挙げた。
近日、マカオ政府はオミクロン変異株の流入防止策の一環として、水際措置の一層の強化を図っている。