香港、新型コロナ新規陽性者は33人…市中感染6人中1人が感染経路不明、航空機清掃スタッフ=1/9

 人口約740万人の香港では、2020年11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、2021年5月にかけて状況が落ち着き、同月末までに終息した。

 6月以降も外遊歴のない人(多くが空港業務従事者)の散発的な感染確認があったものの、長く市中における連鎖的な伝播は出現していなかったが、大晦日に検疫規則違反のキャセイパシフィック航空の男性クルーをきっかけとしたレストラン「望月樓」店内での伝播が出現したことが判明し、83日にわたって続いた市中感染確認例ゼロ記録がストップ。年初にはキャセイ航空の女性クルー(キャビンアテンダント職)を発端とした別の感染連鎖伝播チェーンが出現し、連日新たな陽性者が相次いでいる。いずれも感染力が非常に強いとされるオミクロン変異株の事案。感染経路不明の事案も複数あり、流行第5波が始まったものとみられる。

 香港衛生当局の発表によれば、1月9日午前0時時点集計の単日の新規陽性者は33人で、内訳は輸入関連性を含む市中が6人、輸入性(海外からの入境者)が27人。大半がオミクロン変異株感染とのこと。

 輸入関連性を含む市中の陽性者6人のうち1人が感染経路不明(オミクロン変異株感染疑い)で、患者は香港国際空港で航空機内のトイレ清掃や枕カバーの交換などを担当していた女性(39)。1月4日に10人以上の陽性者が確認されたキャセイパシフィック航空CX845便の機内で作業歴があったといい、ウイルスゲノム解析結果を待って関連性を再調査するという。その他はキャセイ航空クルーをきっかけとした既知の伝播チェーン上にある事案。

 これとは別に初歩陽性者が20人超おり、このうち1人がキャセイ航空CAをきっかけとした伝播チェーン上にある陽性者と同じマンションの住民だったとのこと。先に陽性となった患者とは面識がなく、これまでのところ行動履歴の重複も確認されていないが、同じ向きの上下関係にある部屋に居住しており(先に陽性された患者が5階、初歩陽性者が10階の「D室」)、同マンション内で垂直伝播が発生した可能性が指摘されている。

 目下、香港では市中で出現した陽性者及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人が次々と隔離検疫あるいは強制ウイルス検査の対象となっている。

 このほか、香港の1月8日午後8時時点のワクチン接種率は74.3%(1回目の接種完了)、69.7%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は1020万5594回、1日あたり接種回数は3万6563回(7日移動平均値3万7376回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は昨年9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は50万8257回。市中感染確認例が相次ぎ出現したことで、年初から再び接種回数が増加傾向に転じている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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