マカオ、2021年通期のインバウンド旅客数は約770万人…対前年3割増

 マカオ政府統計調査局は1月20日、昨年(2021年)12月及び通期の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 昨年12月のインバウンド旅客数は前月から2.4%、前年同月から24.5%のそれぞれ増となる82万0870人(延べ、以下同)となり、対前月では2ヶ月連続プラスに。

 マカオでは、昨年9月下旬及び10月初旬に市中感染例が相次ぎ出現し、水際措置が引き締めとなったが、以降は状況が落ち着き、水際措置が従前水準まで緩和されたほか、複数の大型イベント開催による効果もあってインバウンド旅客数の回復が続いている状況。

 内訳は、日帰り旅客が前年同月比58.5%増の42万6559人、宿泊を伴う旅客が1.0%増の39万4311人。旅客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.5日。内訳は日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.5日長い3.0日。

 昨年12月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、前年同月から25.7%増の76万2554人、全体に占める割合は92.9%。このうち個人旅行客が27万9464人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が46万3932人で、マカオに隣接する広東省珠海市が53.9%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ5万0768人、7306人。

 昨年通期(1〜12月累計)のインバウンド旅客数は前年から30.7%増の770万5943人。ただし、新型コロナの影響が生じる前にあたる2019年との比較では8割超のマイナス。全体に占める中国本土旅客の割合は91.4%、日帰り旅客の割合は52%。旅客の平均滞在時間は0.2日延びて1.6日。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.4日延びて3.2日、日帰り旅客は0.1日短い0.1日に。

 マカオと中国本土の間では、一昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となったことで、昨年5月にかけてインバウンド旅客の緩やかな回復が進んだ。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。昨年8月以降はマカオでも市中感染確認例の出現が複数あり、中国本土側でマカオからの入境者に対する隔離検疫を必要とする状況が生じた。

 目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14〜35日間(直前の滞在地域などにより異なる)の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人については原則入境禁止となっていたが、就労ビザを持つ人などを対象に一部緩和された。ただし、要件をクリアした上、当局への申請、承認手続きの必要があり、ハードルは高い。1月初旬からはオミクロン変異株流入防止を目的に水際措置が一層強化されている。

 昨年第4四半期にかけて中国本土、香港、マカオの三地間で隔離検疫免除の相互往来を再開する具体的な準備が進められていたが、昨年末以降、香港及び広東省でオミクロン変異株の市中感染例が出現する中、実現には至っていない。1月のインバウンド旅客数については、珠海市で出現した再流行による影響が生じる可能性もありそうだ。

クリスマスイブの世界遺産・聖ポール天主堂跡周辺の様子(資料)=2021年12月24日(写真:MGTO)

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