香港、新型コロナ新規市中感染確認121人…感染経路不明は31人、3日連続第5波最多更新=2/3
- 2022/2/3 19:09
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。
第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。
中でも、隔離検疫ホテル交差感染に端を発した伝播については、新界南西部の葵涌地区にあるマンモス団地「葵涌邨」(全16棟、約3万人居住)の住民及び訪問者等の間で感染者の出現が相次ぎ、累計感染者400人超の大規模なクラスターへと発展したが、すでに沈静化したとされ、29日朝までに団地内の3棟を対象に実施されたロックダウンが解除となった。
香港衛生当局の発表によれば、2月3日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は142人で、内訳は市中が121人(感染経路不明31人)、輸入性(海外からの入境者)が21人。市中における感染経路不明の数は第5波が始まって以来の最多を3日連続更新(前日から1人増)これとは別に初歩陽性者が流行開始以来最多の約160人に上るとのこと。
香港衛生当局は2月3日夕方の記者会見で、感染経路不明の感染の出現エリアは広く香港全域に及び、症状は軽微もしくは無症状がほとんどであることから、市中に多くの発見に至っていないケースが存在する可能性を指摘。今後、感染経路不明の感染確認例が増える見通しで、海外におけるオミクロン変異株の感染拡大例を考慮すれば、香港でも感染例が右肩上がりに上昇し、医療資源を圧迫することが懸念されるとした。目下、香港では春節(旧正月)シーズンを迎えているが、家族が集まって食事をしたことをきっかけにクラスターが出現したケースも報告されており、感染力の強いオミクロン変異株の特性を踏まえ、市民に対して外出を控えるよう呼びかけた。
目下、香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人が次々と強制検疫(検疫センターでの隔離検疫)や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、水際措置の引き締めなどの策も講じられている。
このほか、香港政府は2月3日、香港域内における流行状況が極めて深刻な状況にある中、市中における人流と接触機会を減少させるため、緊急及び必須の公共サービス、防疫関係以外に従事する政府職員について、2月11日まで自宅勤務を通知を発出した。