香港、新型コロナ新規感染確認6116人…流行開始以来最多の更新続く=2/17
- 2022/2/17 18:35
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。
香港衛生当局の発表によれば、2月17日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は前日から1831人増となる6116人で、流行開始以来最多を2日連続更新。内訳は市中が6107人、輸入性(海外からの入境者)が9人。大半がオミクロン変異株疑いとされている。さらに、翌日以降に感染確認される可能性の高い初歩陽性者は約6300人いるとのこと。単日の新型コロナ感染者の死亡数は15人に上った。2月11〜15日の死亡者数は計9人。
香港衛生当局は17日夕方の会見の中で、第5波の感染確認数はすでに2020〜2021年の累計を上回っており、防疫対策が困難な状況にあるとの見方を示した。目下、隔離病床のキャパシティが上限に近づき、高齢者や子供、重傷者など高リスクの患者を優先して入院させる措置が講じられているが、入院日数の短縮を図る(発症から7日後の検査で陰性となった場合に帰宅させる)ことも決まったという。
香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人などが次々と強制検疫や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、域外からの流入防止を目的とした水際措置の引き締めなどの策も講じられている。
17日には広東省からオミクロン変異株の防疫対策経験を持つ専門家チームが香港へ到着。先に香港入りしている検査支援チームとともに、香港における防疫対策(ウイルス検査、隔離検疫、疫学調査、濃厚接触者追跡、環境調査等)をバックアップするという。
このほか、香港の2月16日午後8時時点のワクチン接種率は84.5%(1回目の接種完了)、74.9%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパスポート(所定施設入場時に1回以上のワクチン接種証明を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。16日単日の接種回数は9万3600回だった。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスポートが24日からスタート(10日から一部先行スタート)する。