香港、新型コロナ新規感染確認6063人…初歩陽性との合計数が4日連続1.3万人超に=2/19
- 2022/2/19 18:12
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。
香港衛生当局の発表によれば、2月19日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は前日から2434人増の6063人だった。内訳は市中が6059人、輸入性(海外からの入境者)が4人。翌日以降に感染確認される可能性の高い初歩陽性者は約7400人に上り、感染確認と初歩陽性の合計数が1万3000人超となるのは4日連続。
また、単日の感染者の死亡者数は15人で、およそ10人が危篤状態にあるという。
近日、香港では陽性者の急増に伴い、公立病院の隔離病床、隔離施設の不足が深刻化しており、軽症者については基本的に自宅待機(自宅療養)とされ、病院に搬送された患者が屋外での待機を余儀なくされる状況も発生している。目下の自宅隔離者数は9685人とのこと。また、医療機関と高齢者介護施設に関連する(職員及び入所者)感染確認例も相次ぎ、前者は新たに30施設、後者は累計190施設に上るという。
19日午後には、中国本土の施工チームの協力を得て、2ヶ所合計で約1万人が収容できる仮設の隔離・治療施設の建設がスタートし、行政長官らが起工式に参加した。ほかにも、香港政府は公営団地や民間のホテルを借り上げるなどして、隔離施設の確保を進めている。
香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人などが次々と強制検疫や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、域外からの流入防止を目的とした水際措置の引き締めなどの策も講じられている。防疫対策(ウイルス検査、隔離検疫、疫学調査、濃厚接触者追跡、環境調査等)をバックアップするため、すでい中国本土から支援チームも香港入り。全市民を対象としたウイルス検査の実施も含む様々な策が検討されているという。
このほか、香港の2月18日午後8時時点のワクチン接種率は85.4%(1回目の接種完了)、75.4%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパスポート(所定施設入場時に1回以上のワクチン接種証明を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。18日単日の接種回数は10万0991回で、過去最多を更新したほか、初めての10万回台に。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスポートが24日からスタート(10日から一部先行スタート)する。