香港、新型コロナ新規感染確認数7533人…死亡者数は生後11ヶ月の女児含む13人=2/21
- 2022/2/21 18:49
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。
香港衛生当局の発表によれば、2月21日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は前日から1466人増の7533人で、流行開始以来最多に。大半が市中感染例で、オミクロン変異株とのこと。単日の感染者の死亡数は13人で、流行以来最年少となる生後11ヶ月の女児1人が含まれる。
死亡した女児はもともと健康状態良好だったが、2月19日に痙攣と発熱が出現したため救急搬送され、搬送先で受けた検査でコロナ感染が発覚。その後、容体が悪化し、挿管が必要な状態となり、ICUで治療が行われたが、容体の悪化が止まらず、一時心肺停止となり、一旦は蘇生したものの、20日に亡くなったという。女児と同住の家族4人(父・母・姉・兄)についてもスピード検査結果が陽性だったとした。
流行第5波下における公立病院での死亡者は累計311人に上り、その大半は高齢者だが、乳幼児も複数含まれる。
2月に入って以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足も深刻化している状況。公立病院の隔離病床使用率は92%に達しているとのことで、20日の会見で私立の医療機関が療養、リハビリ治療、デイサービス等を引き受けるプランが2、3日中に実現する見込みであることも明らかにされた。目下、政府が市中の隔離施設の増強を進めているほか、中国本土から防疫専門家や検査チームも続々香港入りしている。
このほか、香港の2月20日午後8時時点のワクチン接種率は85.9%(1回目の接種完了)、75.8%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパスポート(所定施設入場時に1回以上のワクチン接種証明を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。20日単日の接種回数は5万3668回で、高位を維持。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスポートが24日から本格スタートする。