香港、新型コロナ新規感染確認数8674人…流行開始以来最多=2/23
- 2022/2/23 19:12
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。
香港衛生当局の発表によれば、2月23日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は流行開始以来最多となる8674人だったとのこと。内訳は市中が8671人、輸入性(海外からの入境者)が3人。加えて、前日の陽性報告数は7990人とした。公立病院における単日の感染者の死亡者数は24人(52〜97歳、65歳以上の高齢者が21人)という。第5波下の死亡者数は累計188人、流行開始以来の累計は393人に。また、直近の死亡率は0.3%で、ワクチン接種の有無による死亡率の差異については、未接種者の0.54%に対し、接種者は0.03%とのデータが示され、大きな差が生じていることが明らかとなった。
第5波下では高齢者介護施設関連の感染者が多く出現しているが、感染者が出現した施設数は300以上、感染者数は職員300人超、入所者930人超に上るとのこと。この日発表されった死亡者のうち15人が高齢者介護施設の入所者だった。
陽性例が増大する中、個別事案の追跡調査方法をスピードアップするため、23日午前9時から調査方法に変更があった。検査機関から陽性または初歩陽性だったことを知らせるショートメールに電子フォームへのリンクが付き、同住者に関する情報などをオンライン回答する方式が採用され、当局による入院または隔離施設の分配手配作業の効率化につながるとされる。23日午前9時までに1000件以上の回答があったという。
2月に入って以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設を進めている。
このほか、香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は2月22日夕方に臨時記者会見を開き、全市民を対象とした強制PCR検査を実施することを明らかにしている。
香港の2月22日午後8時時点のワクチン接種率は86.8%(1回目の接種完了)、76.2%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパスポート(所定施設入場時に1回以上のワクチン接種証明を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。22日単日の接種回数は8万3104回で、高位を維持。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスポートが24日から本格スタートする。