中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は214人…うち広東省が69人、東莞市と深セン市が主=3/6

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月7日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月6日の中国本土における新規市中感染確認は214人(前日から39人増)だったとのこと。内訳は、広東省69人(東莞市50人、深セン市19人)、吉林省25人(吉林市42人、長春市7人、延辺朝鮮族自治州5人)、山東省46人(青島市)、甘粛省12人(蘭州新区)、河北省9人(ケイ台市)、内モンゴル自治区7人(フフホト市3人、オルドス市2人、包頭市1人、フルンボイル市1人)、江蘇省5人(連雲港市)、雲南省4人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、上海市3人(徐匯区2人、浦東新区1人)、湖北省2人(武漢市)、山西省1人(太原市)、浙江省1人(嘉興市)、広西チワン族自治区1人(防城港市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは142日連続で、3桁となるのは3日連続。市中の無症状感染例についても23日連続で出現し、山東省117人(青島市)、広東省104人(東莞市103人、恵州市1人)、上海市45人(嘉定区12人、閔行区7人、松江区7人、宝山区6人、普陀区5人、徐匯区2人、浦東新区2人、奉賢区2人、黄浦区1人、静安区1人)、雲南省18人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、吉林省12人(吉林市5人、長春市5人、延辺朝鮮族自治州2人)、広西チワン族自治区10人(百色市7人、防城港市2人、崇左市1人)、遼寧省3人(瀋陽市2人、丹東市1人)、河北省1人(石家庄市)、山西省1人(晋城市)、江蘇省1人(連雲港市)の計312人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月6日まで23日連続で感染者が出現している。中でも、深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されており、感染者の出現範囲も広いとのこと。深セン市の北に位置する東莞市でも大朗鎮、常平鎮、虎門鎮の3エリアで別々の伝播チェーンが出現しているとされ、感染者の増が続く。なお、6日の広東省の輸入性感染確認51人全員と無症状104人中35人が香港からの入境者だった。

  3月6日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は3837人(うち輸入性が2290人)で、重症者は11人(うち輸入性2人)。無症状の患者2024人(輸入性1148人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月6日まで147日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月6日までの累計は約45.8万人に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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