中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は15省市区で402人…広東省では26日連続=3/9

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月10日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月9日の中国本土における新規市中感染確認は402人(前日から169人増)だったとのこと。内訳は、吉林省165人(吉林市134人、長春市23人、延辺朝鮮族自治州7人、松原市1人)、山東省66人(青島市56人、威海市7人、シ博市2人、煙台市1人)、甘粛省66人(蘭州新区40人、蘭州市19人、白銀市7人)、陝西省21人(西安市13人、宝鶏市7人、漢中市1人)、天津市19人(西青区14人、津南区2人、北辰区2人、武清区1人)、広東省17人(深セン市15人、陽江市1人、東莞市1人)、江蘇省13人(連雲港市)、河北省10人(ケイ台市7人、廊坊市2人、滄州市1人)、北京市4人(朝陽区2人、海淀区2人)、遼寧省4人(瀋陽市)、上海市4人(静安区1人、虹口区1人、閔行区1人、浦東新区1人)、内モンゴル自治区3人(フフホト市)、浙江省3人(杭州市1人、温州市1人、衢州市1人)、雲南省3人(徳宏タイ族チンポー族自治州2人、保山市1人)、山西省2人(運城市)、河南省1人(濮陽市)。このうち遼寧省の3人、山東省の3人、山西省の2人、吉林省の1人、雲南省の1人の計10人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは145日連続で、3桁となるのは6日連続。市中の無症状感染例についても26日連続で出現し、吉林省179人(吉林市149人、長春市25人、延辺朝鮮族自治州5人)、山東省112人(青島市91人、威海市14人、シ博市6人、煙台市1人)、上海市76人(閔行区23人、嘉定区16人、浦東新区9人、松江区9人、徐匯区6人、静安区3人、黄浦区2人、楊浦区2人、宝山区2人、長寧区1人、普陀区1人、虹口区1人、奉賢区1人)、雲南省22人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、甘粛省11人(白銀市5人、蘭州新区5人、蘭州市1人)、黒竜江省9人(牡丹江市)、河北省5人(滄州市2人、廊坊市1人、石家庄市1人、ケイ台市1人)、江蘇省5人(連雲港市3人、蘇州市1人、揚州市1人)、広東省5人(東莞市)、天津市2人(河東区1人、西青区1人)、遼寧省2人(瀋陽市)、安徽省2人(宿州市)、河南省2人(濮陽市)、北京市1人(海淀区)、広西チワン族自治区1人(防城港市)、青海省1人(西寧市)の計435人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月9日まで26日連続。深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されている。9日新たに西部の陽江市で1人の感染確認があり、同市では不要不急の市外への移動を控えるよう呼びかけがなされているとのこと。患者は3月5〜7日にかけて省都の広州市を訪れており、訪問先に居合わせた人などを対象としたPCR検査が進められているという。このほか、近日北京市でも市中感染確認例が相次いでおり、ステルスオミクロンによる伝播で、市外から流入したものとされている。

  3月9日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は4610人(うち輸入性が2451人)で、重症者は7人(うち輸入性2人)。無症状の患者3238人(輸入性1328人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月9日まで150日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月9日までの累計は57万人超に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  2.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  3.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  5.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun