中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は17省市区で476人…広東省では28日連続=3/11

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月12日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月11日の中国本土における新規市中感染確認は476人(前日から79人増)だったとのこと。内訳は、山東省159人(青島市139人、徳州市10人、シ博市4人、威海市2人、浜州市2人、煙台市1人、イ坊市1人)、吉林省134人(吉林市66人、長春市63人、延辺朝鮮族自治州5人)、天津市35人(西青区15人、河西区4人、紅橋区4人、津南区4人、南開区3人、武清区3人、浜海新区2人)、広東省33人(深セン市27人、東莞市4人、広州市2人)、陝西省30人(西安市13人、宝鶏市12人、漢中市4人、楊陵区1人)、浙江省23人(杭州市22人、湖州市1人)、河北省22人(滄州市13人、廊坊市7人、石家庄市1人、ケイ台市1人)、江蘇省20人(連雲港市)、上海市5人(閔行区2人、浦東新区2人、宝山区1人)、雲南省4人(昆明市2人、徳宏タイ族チンポー族自治州2人)、甘粛省4人(蘭州市3人、蘭州新区1人)、黒竜江省2人(ハルビン市)、北京市1人(大興区)、内モンゴル自治区1人(フフホト市)、福建省1人(アモイ市)、河南省1人(濮陽市)、青海省1人(西寧市)。このうち山東省の4人、甘粛省の1人の計5人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは147日連続で、3桁となるのは8日連続。

 市中の無症状感染例についても28日連続で出現し、山東省400人(青島市312人、威海市70人、徳州市8人、シ博市6人、煙台市2人、イ坊市2人)、吉林省266人(吉林市167人、長春市97人、延辺朝鮮族自治州1人、梅河口市1人)、広東省191人(東莞市188人、深セン市2人、掲陽市1人)、上海市78人(閔行区19人、嘉定区11人、徐匯区10人、浦東新区9人、宝山区7人、松江区5人、金山区4人、黄浦区3人、静安区3人、虹口区3人、青浦区2人、長寧区1人、奉賢区1人)、甘粛省40人(蘭州新区32人、蘭州市5人、白銀市2人、天水市1人)、河北省22人(廊坊市19人、滄州市3人)、雲南省19人(徳宏タイ族チンポー族自治州16人、昆明市2人、臨滄市1人)、江蘇省13人(連雲港市12人、揚州市1人)、天津市6人(河西区2人、津南区2人、紅橋区1人、西青区1人)、広西チワン族自治区5人(防城港市3人、崇左市2人)、遼寧省2人(丹東市1人、阜新市1人)、浙江省2人(温州市1人、嘉興市1人)、海南省2人(三亜市1人、瓊中リー族ミャオ族自治県1人)、黒竜江省1人(ハルビン市)、福建省1人(ショウ州市)の計1048人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月11日まで28日連続。深セン市における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)、東莞市ではオミクロン株が主とされている。3月9日、同省西部の陽江市で感染確認された患者が同月5〜7日にかけて省都の広州市滞在歴があったことが公表されていたが、これに関連した感染者が10日、11日にかけて相次ぎ出現。オミクロン変異株亜種BA.1.1の伝播とされる。目下、患者の立ち寄り履歴が確認された広州市内では複数のショッピングモールや広交会展館が閉塞管理とされ、訪問先に居合わせた人などを対象としたPCR検査が進められている。

 このほか、浙江省杭州市では、大手物流会社SFエクスプレス社の中継拠点でクラスターが発生した模様。マカオ当局は、マカオ内で当該中継拠点を経由して到着した荷物と接触歴がある人に対してPCR検査を受けるよう呼びかけた。

 3月11日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は5461人(うち輸入性が2566人)で、重症者は6人(うち輸入性2人)。無症状の患者5076人(輸入性1452人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月11日まで152日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月11日までの累計は約63.4万人に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示された。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査を実施するとアナウンス済み。港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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