香港、新型コロナ新規感染者数は3万2430人…第5波累計69.4万人超、短期的に高水準維持の見通し=3/13

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局の発表によれば、3月13日午前0時時点集計の単日の新規感染者数は前日から4783人増(17.3%増)の3万2430人だったとのこと。内訳は、PCR検査結果陽性が前日から2454人減(15.5%減)の1万3335人、スピード抗原検査結果のオンライン陽性報告数が同7237人増(61.0%増)の1万9095人で、第5波開始以来の累計感染者数は69.4万人超となった。目下、30万人超が在宅あるいは隔離施設で検疫を行っているとのこと。

 当局では、新規感染確認数の急上昇は見受けられないが、今後数日あるいは短期的に高水準を維持するとの見通しており、依然として市中の伝播は活発で、緩和に転じておらず、海外の例を見ても再び上昇に転じる可能性があるとし、市民に対して状況が安定したと誤認して防疫対策に緩みが生じないよう呼びかけた。

 公立病院における13日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は190人(39〜105歳)で、これとは別に遅れて報告された死亡者が74人おり、第5波開始以来の累計死亡者数は3780人(60歳以上が95.3%占める)、死亡率は0.54%に。ワクチン接種歴による死亡率については、2回以上接種済みの人が0.09%だったに対し、2回接種を済ませていない人は2.03%と大きな差異が生じているという。

 2月以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、感染確認または陽性となった人が自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設を進めているほか、各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施なども発表済み。全市民対象の強制PCR検査に関しては、当初3月実施予定とアナウンスされたものの、現時点まで具体的な実施スケジュールは示されていない。

 このほか、香港の3月12日午後8時時点のワクチン接種率は90.9%(1回目の接種完了)、79.9%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は52.5%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。12日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は6万8452回で、7日移動平均は7万4798回。

 年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳が80.1%、80歳以上が54.5%と大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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