香港、新型コロナ流行第5波の感染者数が100万人突破…2ヶ月半で人口の約14%相当

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局が3月18日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染者数は前日から1568人減(7.2%減)の2万0082人だったとのこと。内訳は、PCR検査結果陽性が前日から662人減(7.7%減)の7966人、スピード抗原検査結果のオンライン陽性報告数が同906人減(7.0%減)の1万2116人。第5波開始以来の累計感染者数は人口の約14%に相当する100万人超となった。内訳はPCR検査経由が66万人超、スピード抗原検査経由が33万人超とのこと。

 当局では、近日の新規感染確認数は安定してきたものの、依然として高水準にあるとの見方を示し、市民に対して気を緩めず、十分な防疫措置を講じ、社交活動を控えるよう呼びかけた。

 公立病院における18日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は259人で、第5波開始以来の累計死亡者数は5188人、総体死亡率は約0.5%に。

 2月以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、感染確認または陽性となった人が自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めているほか、各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施計画も発表済み。全市民対象の強制PCR検査に関しては、週明け具体的な内容が発表予定とされている。

 香港の3月17日午後8時時点のワクチン接種率は91.3%(1回目の接種完了)、81.3%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は56.1%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。17日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は6万6369回で、7日移動平均は6万7485回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳と80歳以上が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

市民に配布する防疫キットの包装工場を視察する香港商務経済発展局の邱騰華(エドワード・ヤウ)局長(中央)ら=2022年3月17日(写真:news.gov.hk)

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