中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は20省市区で1656人…大半が吉林省、広東省では36日連続=3/19

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月20日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月19日の中国本土における新規市中感染確認は1656人(前日から501人減)だったとのこと。内訳は、吉林省1191人(長春市833人、吉林市327人、四平市24人、延辺朝鮮族自治州5人、松原市2人)、福建省158人(泉州市138人、ホ田市13人、アモイ市4人、ショウ州市3人)、山東省51人(浜州市35人、青島市6人、臨沂市4人、威海市3人、煙台市2人、徳州市1人)、広東省51人(深セン市49人、珠海市1人、東莞市1人)、遼寧省39人(瀋陽市17人、大連市11人、営口市11人)、甘粛省29人(蘭州市25人、白銀市2人、蘭州新区2人)、天津市21人(西青区7人、武清区6人、浜海新区5人、南開区1人、紅橋区1人、東麗区1人)、河北省21人(廊坊市12人、唐山市7人、邯鄲市1人、滄州市1人)、浙江省19人(衢州市15人、嘉興市2人、杭州市1人、寧波市1人)、黒竜江省18人(ハルビン市)、上海市17人(浦東新区8人、閔行区4人、嘉定区2人、虹口区1人、宝山区1人、崇明区1人)、陝西省15人(宝鶏市11人、銅川市3人、漢中市1人)、江西省6人(南昌市5人、カン州市1人)、湖南省6人(邵陽市2人、長沙市1人、岳陽市1人、永州市1人、懐化市1人)、雲南省4人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、安徽省3人(銅陵市2人、馬鞍山市1人)、重慶市3人(沙坪ハ区)、河南省2人(鄭州市1人、信陽市1人)、北京市1人(朝陽区)、江蘇省1人(塩城市)。このうち吉林省の19人、黒竜江省の14人、遼寧省の11人、上海市と浙江省の各6人、天津市と福建省の各4人、江西省と山東省の各3人、安徽省と甘粛省の各2人、江蘇省と湖南省の各1人の計76人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは155日連続。4桁となるのは8日連続。

 市中の無症状感染例についても36日連続で出現し、河北省534人(廊坊市)、上海市492人(浦東新区127人、嘉定区79人、徐匯区60人、閔行区49人、黄浦区37人、普陀区25人、崇明区22人、宝山区16人、松江区16人、静安区15人、楊浦区14人、長寧区12人、虹口区6人、奉賢区6人、青浦区5人、金山区3人)、山東省380人(浜州市349人、シ博市13人、威海市9人、青島市4人、徳州市3人、煙台市2人)、吉林省303人(吉林市287人、四平市8人、長春市3人、延辺朝鮮族自治州3人、遼源市2人)、遼寧省132人(大連市65人、営口市33人、瀋陽市32人、阜新市2人)、福建省109人(泉州市105人、福州市3人、ショウ州市1人)、江蘇省50人(常州市37人、南京市10人、蘇州市1人、連雲港市1人、塩城市1人)、江西省28人(南昌市27人、宜春市1人)、広東省27人(深セン市17人、東莞市7人、中山市3人)、広西チワン族自治区24人(欽州市14人、崇左市5人、防城港市4人、北海市1人)、黒竜江省19人(ハルビン市)、浙江省18人(衢州市13人、嘉興市3人、杭州市1人、麗水市1人)、雲南省17人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、甘粛省17人(蘭州市16人、蘭州新区1人)、安徽省15人(銅陵市11人、馬鞍山市4人)、内モンゴル自治区8人(フフホト市7人、通遼市1人)、重慶市4人(沙坪ハ区2人、永川区2人)の計2177人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月19日まで36日連続。中でも深セン市の流行はオミクロン変異株(「ステルスオミクロン」とも呼ばれる亜種BA.2を含む)が主とされる。同省内では深セン市と東莞市で20日までロックダウンが実施されているほか、珠海市や中山市でも一部区域のロックダウン、全市レベルで屋内娯楽施設の一時クローズといった措置が講じられている。

 3月19日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1万9986人(うち輸入性が1970人)で、重症者は35人(うち輸入性1人)。無症状の患者1万6196人(輸入性1695人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月19日まで160日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月19日までの累計は約102万人、死亡率は約0.5%に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示されたが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査を実施するとアナウンス済み。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は広東省珠海市で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースが相次いでいる。また、マカオや深セン市、珠海市で香港から陸路で到着した人の感染確認も数多く確認されており、香港政府は21日から陸路出境者に対する追加の検査を必須とする措置を発表した。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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