香港、新型コロナ新規感染者数は1万4149人…第5波累計約103.5万人、死亡率は0.55%に=3/20
- 2022/3/20 18:04
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。
香港衛生当局が3月20日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染者数は前日から2448人減(14.7%減)の1万4149人(輸入性4人含む)で、スピード抗原検査経由が約58.5%を占めたとのこと。第5波開始以来の累計感染者数は約103.5万人となった。
近日、感染確認数は徐々にではあるが減少が続いている。当局では、感染確認数の減少要因は複数あるとの見方を示し、流行が一定程度落ち着き、すでにピークを過ぎたこと、市中で相当数が感染済みまたはワクチン接種により免疫力を獲得したこと、ソーシャルディスタンス措置が講じられていることなどを挙げた。ただし、市中に多くの感染者が存在することから、社交活動が頻繁になった場合、再び伝播が拡大する恐れがあるとし、市民に対して警戒を維持して臨むよう呼びかけた。
公立病院における20日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は205人で、これとは別に遅れて報告された死亡者が41人おり、第5波開始以来の累計死亡者数は5683人、総体死亡率は約0.55%に。
2月以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、感染確認または陽性となった人が自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めているほか、各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施計画も発表済み。全市民対象の強制PCR検査に関しては、週明け具体的な内容が発表予定とされている。
香港の3月19日午後8時時点のワクチン接種率は91.5%(1回目の接種完了)、82.0%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は57.1%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。19日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は6万0542回で、7日移動平均は6万5200回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳と80歳以上が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。