中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は19省市区で2010人…9割超が吉林省、無症状は上海市が4日連続最多=3/23

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月24日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月23日の中国本土における新規市中感染確認は2010人(前日から509人減)だったとのこと。内訳は、吉林省1810人(長春市1280人、吉林市512人、四平市9人、延辺朝鮮族自治州5人、通化市4人)、福建省69人(泉州市65人、ホ田市3人、ショウ州市1人)、天津市29人(西青区7人、静海区6人、河北区5人、東麗区3人、河東区2人、紅橋区2人、北辰区2人、南開区1人、寧河区1人)、山東省16人(浜州市13人、威海市2人、青島市1人)、江西省12人(南昌市11人、九江市1人)、黒竜江省10人(ハルビン市)、河南省10人(周口市5人、焦作市4人、開封市1人)、遼寧省9人(大連市2人、鉄嶺市2人、瀋陽市1人、錦州市1人、遼陽市1人、盤錦市1人、葫芦島市1人)、河北省8人(廊坊市6人、唐山市1人、秦皇島市1人)、広東省8人(深セン市5人、茂名市1人、東莞市1人、中山市1人)、湖南省7人(懐化市4人、長沙市2人、益陽市1人)、北京市4人(東城区3人、朝陽区1人)、上海市4人(閔行区2人、嘉定区1人、奉賢区1人)、浙江省4人(衢州市2人、杭州市1人、嘉興市1人)、甘粛省4人(蘭州市)、江蘇省3人(塩城市2人、無錫市1人)、四川省1人(広安市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、陝西省1人(西安市)。このうち吉林省の36人、山東省と河南省の各4人、浙江省の3人、天津市、福建省、江西省の各1人の計50人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは159日連続。4桁となるのは12日連続。

 市中の無症状感染例についても40日連続で出現し、上海市979人(閔行区252人、浦東新区217人、徐匯区108人、宝山区69人、嘉定区68人、崇明区54人、静安区48人、普陀区34人、松江区34人、虹口区26人、黄浦区20人、奉賢区12人、長寧区11人、楊浦区11人、青浦区10人、金山区5人)、吉林省791人(吉林市531人、長春市253人、延辺朝鮮族自治州6人、梅河口市1人)、河北省229人(廊坊市143人、唐山市86人)、山東省170人(浜州市149人、青島市7人、イ坊市5人、臨沂市4人、威海市3人、シ博市1人、煙台市1人)、福建省162人(泉州市157人、ホ田市3人、福州市2人)、遼寧省134人(営口市64人、大連市37人、瀋陽市31人、錦州市1人、葫芦島市1人)、江西省87人(南昌市82人、宜春市3人、九江市2人)、天津市48人(西青区22人、東麗区6人、北辰区6人、河北区5人、静海区5人、南開区3人、浜海新区1人)、黒竜江省27人(ハルビン市)、甘粛省25人(蘭州市14人、天水市11人)、江蘇省16人(常州市9人、蘇州市4人、南通市2人、南京市1人)、雲南省15人(徳宏タイ族チンポー族自治州10人、紅河ハニ族イ族自治州3人、臨滄市2人)、安徽省8人(銅陵市6人、蚌埠市2人)、広東省8人(深セン市4人、東莞市3人、茂名市1人)、広西チワン族自治区8人(防城港市6人、桂林市2人)、河南省5人(焦作市3人、洛陽市1人、周口市1人)、内モンゴル自治区4人(通遼市3人、フフホト市1人)、浙江省3人(衢州市2人、嘉興市1人)、陝西省2人(西安市)、湖北省1人(咸寧市)の計2722人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月23日まで40日連続。中でも深セン市の流行はオミクロン変異株(「ステルスオミクロン」とも呼ばれる亜種BA.2を含む)が主とされる。ただし、近日になって省内の感染確認数は顕著な下落傾向が伺える。

 吉林省では連日4桁台の新規感染者が確認され、深刻な状況が続く。上海市では4日連続で無症状患者の数が最多となったが、感染確認(症状の出現)に至るケースはこれまでのところ低位を維持している。吉林省以外の省市区でも似た状況が見てとれる。

 3月23日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万6253人(うち輸入性が1300人)で、重症者は50人(うち輸入性1人)。無症状の患者2万4062人(輸入性1498人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月23日まで164日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月23日までの累計は約107.5万人、死亡率は約0.59%に。すでにピークを過ぎたとの見方が示されているが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進む。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースも相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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