香港、新型コロナ新規感染者数は1万3074人…第5波累計は約108.8万人、死亡率0.6%に=3/24

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局が3月24日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から834人増(6.8%増)の1万3074人とのこと。過去1週間の最少だった前日から微増に転じたが、6日連続で2万人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約108.8万人。

 新規死亡確認数は201人で、第5波開始以来の累計死亡者数は6557人、総体死亡率は前日から0.01ポイント上昇の約0.6%に。死亡者の年齢中位数は86歳。

 当局では、近日の新規感染確認数は3月初旬のピークからは下落しているが、過去7日間は毎日1万人以上と依然として高位を維持し、市中における伝播チェーンが断ち切れていない状況の中、防疫措置を緩和すると再び増加に転じる恐れがあるとの見方を示した。また、過去2、3ヶ月の香港における死亡率は他国より高く、流行の深刻さを反映しており、高齢者のワクチン接種率が不足する中、死亡者の7割を80歳以上が占める状況で、死亡事案の詳細分析を行っているとした。

 第5波下、高齢者介護施設に関連する感染例が多く確認されている。第5波開始以来の高齢者介護施設及び障がい者施設入所者の死亡数は3501人にも上っている。

 2月以降の感染急拡大を受け、医療現場のキャパシティ不足が深刻化している状況。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処している状況。患者に対する米国製の2種の経口治療薬の使用も始まっている。

 香港の3月23日午後8時時点のワクチン接種率は91.7%(1回目の接種完了)、83.0%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は58.5%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。23日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は5万8246回で、7日移動平均は6万1344回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(81.3%)と80歳以上(56.8%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

九龍・黄大仙区の一部で実施された局地ロックダウンによる強制ウイルス検査の受検登録作業の様子=2022年3月23日(写真:news.gov.hk)

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