マカオの総体失業率が3.3%に上昇…2021年12月〜2022年2月期雇用統計

 マカオ政府統計調査局は3月25日、最新(2021年12月〜2022年2月期)の雇用統計を公表。総体失業率が3.3%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は4.3%だった。

 いずれも前回調査(2021年11月〜2022年1月期)から0.1ポイント(pt)の上昇で、2009年第4四半期以来で最も高い水準に。不完全雇用率は0.3pt下落の2.9%。

 2021年12月〜2022年2月期のマカオ居住の労働人口は38.63万人、労働参加率は69.3%。就業人口は前回調査から5400人減の37.36万人、マカオ居民に限ると3500人減の28.10万人。業界別の就業人口動向は、建設業で減少、卸売・小売業では増加となった。

 失業人口は前回調査時から400人増の1.28万人。求職中の失業者のうち直前までカジノ・カジノ仲介業及び建設業に従事していた人の数が多かった。このほか、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は2.3pt下落の7.4%に。

 不完全就業者数は1500人減の1.11万人。カジノ・カジノ仲介業で顕著な減少だった。

 前年同時期との比較では、失業率が0.4pt上昇、不完全雇用率と労働参加率がそれぞれ1.6pt、0.9ポイントの下落。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約8.66万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から5100人減の47.29万人。

 マカオで雇用の調整弁となっているのは海外労働者で、コロナ禍で厳しい経済情勢の中、マカオ政府労工局(DSAL)はマカオ居民の雇用の継続と優先就業を確保するため海外労働者数の調整を行っていることを明らかにしている。DSALの最新統計によれば、今年1月末時点における海外労働者数は16万7440人で、前月末から3658人、前年同月末から8338人のそれぞれ減だった。直近の雇用統計における就業人口の減は海外労働者の減による要因が大きいものとみられる。

 また、DSALは25日に発出したプレスリリースの中で昨今の就業状況の変化を注視しており、リアル及びオンラインを活用したジョブマッチングやジョブフェアの開催、職業訓練等の実施などを通じて、マカオ居民の就業サポートに継続的に取り組んでいるとした。

DSALが元カジノ仲介業従事者向けに開催したジョブマッチングイベントの様子(写真:DSAL)

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