香港の新型コロナ新規感染者数が2日連続1万人以下…第5波累計約111.5万人、死亡者は7000人超に=3/27
- 2022/3/27 18:01
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。
香港衛生当局が3月27日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から804人減(9.1%減)の8037人(輸入性2人含む)とのこと。2日連続で1万人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約111.5万人。
新規死亡確認数は151人で、第5波開始以来の累計死亡者数は7039人(11ヶ月〜112歳、中位数86歳、総体死亡率は前日から0.01ポイント上昇の約0.63%に。このところ新規感染確認数が減少する一方で、総体死亡率はじわじわと上昇を続けている。
当局では、新規感染確認数が2日連続で1万人以下となるのは、流行が安定しつつあることを示す良い兆候とした上、単日8000〜1万人は依然として高水準といえ、ソーシャルディスタンス措置の無条件緩和は時期尚早であるとの慎重な見方を示した。また、市民が防疫疲れを感じているのもわかるが、今が大事な時期であり、気を緩めることなくソーシャルディスタンス措置を遵守するよう呼びかけた。
2月以降の感染急拡大を受け、医療現場のキャパシティ不足が深刻化している状況。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処している状況。患者に対する米国製の2種の経口治療薬の使用も始まった。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開されている。
香港の3月26日午後8時時点のワクチン接種率は91.9%(1回目の接種完了)、83.6%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は59.5%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。26日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は5万8241回で、7日移動平均は5万9356回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(81.5%)と80歳以上(57.2%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。