中国本土の新型コロナ新規市中感染確認17省市で1228人…無症状は5758人、吉林省と上海市が主=3/28

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月29日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月28日の中国本土における新規市中感染確認は1228人(前日から9人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1055人(長春市622人、吉林市426人、四平市7人)、上海市96人(浦東新区39人、静安区10人、閔行区9人、宝山区8人、長寧区7人、徐匯区6人、虹口区4人、松江区4人、普陀区3人、嘉定区2人、青浦区2人、黄浦区1人、金山区1人)、山東省12人(棗荘市8人、泰安市3人、浜州市1人)、遼寧省10人(瀋陽市5人、葫芦島市3人、鞍山市1人、営口市1人)、広東省8人(深セン市3人、肇慶市3人、茂名市1人、東莞市1人)、天津市7人(西青区3人、河北区2人、河東区1人、東麗区1人)、福建省7人(泉州市)、河北省6人(廊坊市5人、保定市1人)、黒竜江省5人(ハルビン市4人、大慶市1人)、浙江省4人(杭州市1人、寧波市1人、嘉興市1人、舟山市1人)、山西省3人(忻州市)、江蘇省3人(常州市1人、蘇州市1人、泰州市1人)、河南省3人(周口市2人、鄭州市1人)、湖南省3人(長沙市)、陝西省3人(安康市2人、宝鶏市1人)、安徽省2人(淮南市1人、宣城市1人)、江西省1人(南昌市)。このうち上海市の21人、吉林省の12人、福建省の6人、天津市の4人、山東省の3人、遼寧省と浙江省の各1人の計48人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは164日連続。4桁となるのは17日連続。

 市中の無症状感染例についても5758人に上った。近日は流行開始以来の最多を連日更新している。内訳は、上海市4381人(浦東新区2463人、閔行区360人、宝山区304人、黄浦区282人、嘉定区207人、奉賢区115人、長寧区108人、静安区93人、松江区91人、徐匯区86人、普陀区79人、崇明区68人、青浦区54人、楊浦区49人、金山区18人、虹口区4人)、吉林省812人(吉林市500人、長春市310人、四平市2人)、福建省124人(泉州市122人、ショウ州市2人)、河北省108人(唐山市73人、廊坊市34人、石家庄市1人)、遼寧省64人(瀋陽市36人、営口市20人、大連市5人、錦州市1人、遼陽市1人、鉄嶺市1人)、山東省41人(浜州市27人、イ坊市8人、シ博市3人、青島市2人、泰安市1人)、江蘇省21人(蘇州市13人、徐州市5人、南京市1人、南通市1人、揚州市1人)、黒竜江省20人(ジャムス市11人、ハルビン市6人、綏化市3人)、安徽省16人(蕪湖市13人、蚌埠市1人、淮南市1人、銅陵市1人)、甘粛省11人(蘭州市)、天津市10人(河北区4人、静海区2人、河東区1人、南開区1人、東麗区1人、西青区1人)、広東省10人(深セン市6人、東莞市4人)、広西チワン族自治区10人(防城港市6人、北海市2人、百色市2人)、浙江省8人(嘉興市6人、寧波市1人、麗水市1人)、河南省8人(焦作市3人、周口市2人、鄭州市1人、ラク河市1人、駐馬店市1人)、雲南省6人(徳宏タイ族チンポー族自治州4人、昆明市2人)、江西省5人(南昌市)、湖南省2人(長沙市)、四川省1人(成都市)。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の同省の感染確認数は低位を維持しており、状況が落ち着きつつあるとみられる。

 東北部の吉林省では連日4桁台の新規感染者が確認され、深刻な状況が続く。また、このところは華東部の上海市では無症状患者の数が急増し、患者の出現エリアも市内の広範囲に及んでいる。3月28日から4月5日かけて、黄浦江を境に市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施されることとなった。なお、上海市においては無症状感染が大半で、感染確認(症状の出現)に至るケースの増大に至っていないのも特徴といえる。

 3月28日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万7859人(うち輸入性が838人)で、重症者は59人(輸入性はゼロ)。無症状の患者4万3425人(輸入性1309人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月28日まで169日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月28日までの累計は約112万人、死亡率は約0.6%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近3日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進む。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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