中国本土の新型コロナ新規市中感染確認は無症状含め約1.3万人…大半が上海市、ロックダウンと全市民PCR検査実施中=4/2
- 2022/4/3 10:20
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月3日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月2日の中国本土における新規市中感染確認は1455人(前日から631人減)だったとのこと。内訳は、吉林省956人(長春市723人、吉林市230人、四平市2人、白城市1人)、上海市438人(浦東新区107人、閔行区57人、徐匯区44人、普陀区38人、宝山区35人、虹口区31人、黄浦区27人、嘉定区27人、静安区25人、楊浦区19人、松江区8人、奉賢区8人、長寧区6人、青浦区3人、崇明区3人)、浙江省11人(杭州市2人、湖州市2人、金華市2人、寧波市1人、嘉興市1人、紹興市1人、衢州市1人、麗水市1人)、福建省8人(泉州市7人、アモイ市1人)、山東省6人(済南市3人、青島市1人、徳州市1人、カ沢市1人)、四川省6人(成都市3人、遂寧市2人、徳陽市1人)、黒竜江省5人(ハルビン市)、江蘇省5人(宿遷市3人、徐州市1人、蘇州市1人)、海南省3人(三亜市)、陝西省3人(宝鶏市2人、西安市1人)、遼寧省2人(瀋陽市)、安徽省2人(淮南市1人、淮北市1人)、江西省2人(南昌市1人、吉安市1人)、広東省2人(広州市1人、肇慶市1人)、天津市1人(南開区)、河北省1人(邯鄲市)、山西省1人(大同市)、湖南省1人(衝陽市)、広西チワン族自治区1人(玉林市)、新疆ウイグル自治区1人(ウルムチ市)。このうち上海市の73人、吉林省の28人、浙江省と福建省の各5人、山東省の4人、江西省、広東省、四川省の各1人の計118人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは169日連続。4桁となるのは22日連続。
市中の無症状感染例についても1万1691人(前日から3902人増)に上った。近日は上海市で増加傾向、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市7788人(浦東新区1949人、徐匯区991人、閔行区765人、黄浦区631人、嘉定区587人、松江区565人、宝山区445人、普陀区351人、虹口区313人、静安区301人、楊浦区256人、青浦区221人、奉賢区150人、崇明区108人、長寧区94人、金山区61人)、吉林省3499人(長春市3100人、吉林市397人、白山市1人、白城市1人)、安徽省93人(淮南市61人、阜陽市14人、ジョ州市7人、馬鞍山市3人、蕪湖市2人、蚌埠市2人、六安市2人、安慶市1人、宣城市1人)、遼寧省43人(瀋陽市33人、葫芦島市4人、大連市3人、営口市3人)、江蘇省42人(蘇州市15人、南通市12人、宿遷市7人、鎮江市3人、南京市1人、無錫市1人、徐州市1人、塩城市1人、泰州市1人)、福建省42人(泉州市40人、福州市1人、ホ田市1人)、江西省38人(南昌市29人、撫州市6人、上饒市3人)、河北省35人(邯鄲市22人、保定市13人)、河南省20人(周口市16人、鄭州市2人、永城市2人)、湖北省18人(随州市14人、黄石市3人、武漢市1人)、黒竜江省12人(ジャムス市8人、ハルビン市2人、伊春市1人、黒河市1人)、浙江省8人(嘉興市4人、杭州市2人、寧波市1人、金華市1人)、山東省8人(臨沂市3人、シ博市1人、棗荘市1人、徳州市1人、聊城市1人、浜州市1人)、広東省8人(東莞市5人、掲陽市2人、深セン市1人)、甘粛省7人(蘭州市)、海南省6人(三亜市5人、海口市1人)、雲南省6人(昆明市2人、曲靖市2人、徳宏タイ族チンポー族自治州2人)、四川省5人(成都市3人、楽山市2人)、新疆ウイグル自治区4人(昌吉回族自治州2人、バインゴリンモンゴル自治州2人)、天津市3人(西青区2人、津南区1人)、広西チワン族自治区3人(桂林市2人、百色市1人)、湖南省1人(長沙市)、重慶市1人(江北区)、貴州省1人(黔西南プイ族ミャオ族自治州)。
香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。
このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが連日4桁台が続く東北部の吉林省と華東部の上海市。上海市では3月28日から4月5日かけて、黄浦江を境に市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施されている。目下、約1600万人の人口を抱える西部12区が対象となっており、住民は自宅にとどまることが求められ、公共交通機関も運休中。ロックダウン終了済みの東・南部についても、感染者が出現した場所についてが封鎖され、住民は外出禁止に。その周辺一帯も閉塞管理区域となり、区域外への外出が制限される。さらに、その他の地域でも厳格な人流管理が行われるとのこと。4月2日からは市外へ向かう際、48時間以内のPCR検査陰性証明に加え、24時間以内の抗原検査陰性証明の提示を求める措置も講じられている。
4月2日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万6167人(うち輸入性が653人)で、重症者は57人(輸入性はゼロ)。無症状の患者7万3689人(輸入性1182人)が医学観察下にあるとのこと。
中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。
マカオ特別行政区では4月2日まで174日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月2日までの累計は約115万人(無症状含む)、死亡者数は7848人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近7日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主とされる。
上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。